10月の新刊:底意地の悪い〈他者〉——迫害の現象学《言語の政治》叢書

2023年 9月 27日 コメントは受け付けていません。

底意地の悪い他者底意地の悪い〈他者〉
迫害の現象学
《言語の政治》
ジャック=アラン・ミレール(監修)
森綾子・伊藤啓輔(訳)

判型:A5判上製
頁数:252頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0750-5 C0011
装幀:中山銀士(協力:金子暁仁)
10月上旬発売!

試し読み◀/▶直接のご注文はこちらへ◀︎

悪意は常にほのめかされている。
言外に含まれた悪意に触れたとき、それはどんな姿形をとってわれわれを脅かすのか? 家族、恋人、パートナー、隣人、上司、教師……世界各地のラカン派精神分析家が集い、悪意に満ちた世界に生きる主体の症例を報告し、言語と主体との関係に忍び込む悪意の発露を見極める。



目次

序文 クリスティアンヌ・アルベルティ

第一部 臨床ケースのテクスト

「私は父の男だった」 ジャン゠ダニエル・マテ
底意地の悪い〈他者〉の法なき重力 ミケル・バッソル
作者の負担で キャロル・ドゥヴァンブルシ゠ラ・サーニャ
紐使いの若い男性 アントニオ・ディ・チャッチャ
「他者はつねに脅威となるでしょう」 フィリップ・ドゥ・ジョルジュ
〈他者〉の策略 マリオ・ゼルゲム

第二部 会話

1 開始
2 耐えられる世界へ
3 地下の引力
4 家族的パラノイア
5 遍在する恐れ
6 顔のない底意地の悪さ
7 多種多様な悪意

原注
訳注

訳者あとがき

著者について
ジャック=アラン・ミレール(Jacques-Alain Miller)
1944年、シャトルー(フランス)に生まれる。精神分析家。高等師範学校卒業。ラカンの死後、1981年からエコール・ドゥ・ラ・コーズ・フロイディエンヌを率い、1992年には世界精神分析協会を設立。パリ第八大学精神分析科で教鞭を執った。ラカンの講義録『セミネール』の編集のほか、著書、論文、記事など多数ある。

訳者について
森綾子(もりあやこ)
1971年、広島県に生まれる。公認心理師・臨床心理士。パリ第八大学大学院精神分析科博士課程単位取得退学。専攻、ラカン派精神分析。現在、護国寺こころの森相談室室長。主な訳書に、ジャック゠アラン・ミレール監修『精神分析の迅速な治療効果』(福村出版、2018年)、エレーヌ・ボノー『言葉にとらわれた身体』(共訳、誠信書房、2023年)がある。
伊藤啓輔(いとうけいすけ)
1972年、山形県に生まれる。専修大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻、哲学。現在、専修大学兼任講師。主な訳書に、ピエール・コフマン編『フロイト&ラカン事典』(共訳、弘文堂、1997年)、ピーター・バリー『文学理論講義』(共訳、ミネルヴァ書房、2014年)などがある。

関連書
絵葉書Ⅰ/ジャック・デリダ/4000円+税
絵葉書Ⅱ/ジャック・デリダ/5000円+税
言語への愛/ジャン=クロード・ミルネール/3000円+税

Comments are closed.