10月の新刊:逸脱と侵犯――サラ・ケインのドラマトゥルギー
2023年 10月 4日 コメントは受け付けていません。
逸脱と侵犯
サラ・ケインのドラマトゥルギー
關智子(著)
判型:A5判上製
頁数:352頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0761-1 C0074
装幀:宗利淳一
10月下旬発売!
〈会ったことがない私自身、その顔は私の心の裏側に貼り付けられている〉
上演不可能なト書き、語り手のいない台詞、錯綜する時空間、社会的タブーの侵犯、タイポグラフィー的実験、そして死――
表象可能性の極限へと迫り、戯曲という芸術形式そのものを根源的な問いに付した夭折の劇作家、サラ・ケイン。激しく変転する作品に通底するテーマを明らかにする、本邦初のモノグラフ!
【目次】
序論
第1章 ケインのキャリアと作品
第2章 前提
第1部 障壁と逸脱――ドラマトゥルギーの観点から
第3章 いま・ここ――演劇的時空間
第4章 〈だれ〉――登場人物、話し手、俳
第5章 戯曲という文学形式の問題化
第2部 境界と侵犯
第6章 プライベートによるパブリックの侵犯――タブー
第7章 暴力と痛み
第8章 語り
第9章 他者の渇望と喪失
結論――逸脱のことば、〈わたし〉の侵犯
引用文献一覧
サラ・ケイン略年譜
謝辞
【著者について】
關智子(せきともこ)
早稲田大学博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、早稲田大学講師。専門は、演劇学、西洋演劇、戯曲理論、現代イギリス演劇。主な共著書に『紛争地帯から生まれた演劇』(ひつじ書房)、『西洋演劇論アンソロジー』(月曜社、いずれも2019年)がある。
【関連書】
ベケット――果てしなき欲望/アラン・バディウ/西村和泉訳/2000円+税
ベケットを見る八つの方法――批評のボーダレス/岡室美奈子・川島健編/4500円+税
(不)可視の監獄――サミュエル・ベケットの芸術と歴史/多木陽介/4000円+税
恋愛のディスクール――セミナーと未完テクスト/ロラン・バルト/8000円+税