11月の新刊:モードで読み解くフランス文学《水声文庫》
2023年 11月 2日 コメントは受け付けていません。
モードで読み解くフランス文学
《水声文庫》
村田京子(著)
判型:四六判上製
頁数:352頁+別丁カラー16頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0757-4 C0098
装幀:宗利淳一
11月下旬発売!
服飾にみるジェンダー規範
作家たちは服装の記号を駆使していかに作品を描いたのか? フランス革命と服飾(バルザック)、変装する女性(サンド)、オート・クチュールの世界(ゴンクール)、女の欲望を掻き立てるデパート(ゾラ)など、小説に登場するモードを通して19世紀のフランス社会を読み解く。
【目次】
はじめに
第一章 フランス革命とモード――バルザック『ふくろう党』
1 服装を通して見る男たちの戦い
2 服装を通して見る総裁政府時代の人物
第二章 変装する女性――ジョルジュ・サンド『アンディヤナ』
1 二人の女性の服装
2 二人の女性の変装
3 男性登場人物の服装
第三章 ダンディへの変貌――バルザック『幻滅』
1 地方の名士の服装
2 『幻滅』におけるダンディ像
第四章 『人間喜劇』における「モードの女王」――バルザック『骨董室』『カディニャン公妃の秘密』
1 モーフリニューズ公爵夫人
2 カディニャン公妃
第五章 第二帝政期の社交界の若い娘――エドモン・ド・ゴンクール『シェリ』
1 服装を通して見た、シェリの成長過程
2 芸術としてのモード
第六章 デパートによる「女性の搾取」――ゾラ『ボヌール・デ・ダム百貨店』
1 「頭のないマネキン人形」
2 「女の復讐」
おわりに
注
参考文献
図版出典
索引(人名・服飾用語)
【著者について】
村田京子(むらたきょうこ)
京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学、文学博士(パリ第七大学)。大阪府立大学名誉教授。専門、19世紀フランス文学・ジェンダー論。主な著書には、Les métamorphoses du pacte diabolique dans l’oeuvre de Balzac(Osaka Municipal Universities Press / Klincksieck, 2003)、『娼婦の肖像――ロマン主義的クルチザンヌの系譜』(新評論、2006年)、『女がペンを執る時――一九世紀フランス・女性職業作家の誕生』(新評論、2011年)、『ロマン主義文学と絵画――一九世紀フランス「文学的画家」たちの挑戦』(新評論、2015年)、『イメージで読み解くフランス文学――近代小説とジェンダー』(水声社、2019年)などがある。
【関連書】
イメージで読み解くフランス文学――近代小説とジェンダー/村田京子/3500円+税
*
フロベールと〈ジェンダー〉――クィアな家族から「新しい女」へ/ジャンヌ・ベム/3500円+税
バルザック詳説/柏木隆雄/4000円+税
魂のたそがれ――世紀末フランス文学試論/湯沢英彦/3200円+税
闘う衣服/小野原教子/4500円+税