『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』書評

2011年 8月 23日 コメントは受け付けていません。

『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』をこの度毎日新聞の
書評欄でお取り上げいただきました。ありがとうございます!

若島正氏(2011年8月21日付毎日新聞)
『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』というおそらく類のない日本旅行記に
関しては、〔歪んだオリエンタリズムを見出すという〕心配は一切無用である。
旅行記といっても、『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』のような架空の国への
幻想旅行記にずっと近いのだから。〔……〕それにしても、ルーボーの作品は
どうしてこんなに軽いのか。形式の制約という側面から文学にアプローチして、
逆説的に精神の途方もない自由を得てしまう。
そこには、晩年の芭蕉が到達した「かるみ」の境地に通じるものがある。

全文はこちらで読めます→

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tokyoannai_coverジャック・ルーボーの極私的東京案内

田中淳一訳
A5判並製カラー80頁+32頁/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-838-6 C0097 7月29日頃発売!



新ジャンル、メトロ詩とは?
富士山は日本に存在しない?
レーモン・クノー的「街路の読み方」とは?
英語のthの発音は、フォアグラによって生まれた?
作家/ウリピアン/数学者ルーボーが、
山手線で試作/詩作/思索する! ディープな東京案内!


異端/ウリポの中の異端児としての正嫡子──。
数学者としての経歴と詩人の魂の融合は、
どうしたことか壮絶な恍けっぷりへと結実し、
素数やクノー数に彩られた虹色の東京を巡る。
ルーボーは歌う。唄う。謳う。謡う。詠う。
詩作は詩と一体となり、秘密を隠した子供の笑い声と化す。
そう、ここにいるのは──おそるべき永遠のいたずらっ子。
——円城塔

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