11月の新刊:ドゥルーズ=ガタリと私たち——言語表現と生成変化の哲学

2023年 11月 13日 コメントは受け付けていません。

Deleuze-Guattariドゥルーズ=ガタリと私たち
言語表現と生成変化の哲学
平田公威(著)

判型:A5判上製
頁数:320頁
定価:4500円+税
ISBN:978-4-8010-0769-7 C0010
装幀:宗利淳一
11月下旬発売!

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実用的見地から読み解くドゥルーズ=ガタリ
ギヨーム、イェルムスレウ、バフチンをはじめ、ソシュール以降の言語学者たちが与えた衝撃を精緻に分析することにより、日常的な経験を支える言語や表象の水準から《生成変化》に至る理路を照らしだす。

私たちがドゥルーズ゠ガタリのただなかに身を置くとき、私たちは、「ひと」の名において、「種々の機械」の名において、「みんな」の名において、私たちとあなたたちの名において語り思考することになる。そして、この変遷は、私たちあなたたちと出会うまでの過程でもある。「ドゥルーズ゠ガタリと私たち」から「私たちとあなたたち」へ。今度はあなたたちの言葉のただなかに身を置かなければならない。耳をうずめるようにして。





目次

序論
1 問題設定について
2 « contre- »の思想について
3 解釈方針について
4 構成について

第Ⅰ部 『意味の論理学』と私たち

第1章 『意味の論理学』の方へ――差異哲学と表象批判について
1 『差異と反復』のプロジェクトについて
2 同一性と表象への批判について
3 理念論について
4 強度論について
5 取り消されるべき錯覚としての表象について
6 『差異と反復』と私たち

第2章 表象から表現へ――非物体的なものへの生成について
1 物体と非物体的なものの二元論について
2 表象と同定への批判について
3 表象されるべきものとしての出来事について
4 ストア哲学における表象の理論、あるいは表現を把握する表象について
5 ストア哲学への忠実さとストア派への裏切りについて
6 表象の使用について
7 把握的表象の使用、あるいは動詞的生成について
8 表象に伴う表現について

第3章 動詞と時間=時制の理論――アイオーンを表す現在形について
1 時間と動詞について
2 アイオーンに属する第三の現在について
3 ギヨームの時間発生論について
4 アイオーンの現在としての複合過去について
5 非人称的なものとしての「私」について
6 表現への生成、動詞的生成、結果の活用について

第4章 出来事は必ずや実現される――伴‐実現について
1 実現と物体的原因について
2 準‐原因について
3 伴‐実現について
4 反‐実現とアイロニー批判について
5 実現主義について
6 『意味の論理学』と私たち

第Ⅱ部 『千のプラトー』と私たち

第5章 『千のプラトー』の方へ――機械と記号について
1 『アンチ・オイディプス』のプロジェクトについて
2 基本概念について
3 争点について
4 資本主義機械における二つの極について
5 記号論について
6 イェルムスレウから資本主義的言語理論へ
7 『アンチ・オイディプス』と私たち

第6章 地層化の理論――質料、表現と内容、形式と実質について
1 イェルムスレウの位置について
2 地層化と脱地層化について
3 イェルムスレウ言語素論における地層の理論について
4 意味‐質料、あるいは言語素論的な物質について
5 地層化のシステムと冗長性について
6 地層の安定化と凝固、あるいは地層化と顔について
7 顔と規範への批判について
8 脱地層化の方へ

第7章 脱地層化の理論――器官なき身体について
1 カオスから古典主義へ
2 古典主義からロマン主義へ
3 脱領土化した物質について
4 系統流と冶金術について
5 意味‐質料から器官なき身体へ
6 いかにして器官なき身体を作り上げるか
7 脱領土化の方へ

第8章 対位法から抽象機械へ――マイノリティ性への生成変化について
1 点のシステムについて
2 点のシステムと領土化について
3 対位法について
4 テーマから機械へ
5 抽象機械について
6 生成変化と対位法について
7 『千のプラトー』と私たち

第Ⅲ部 『哲学とは何か』と私たち

第9章 『哲学とは何か』の方へ――対位法と新たな調和の可能性
1 『襞』のプロジェクトについて
2 モナドロジーについて
3 神なき時代のライプニッツ主義について
4 ゴンブローヴィッチ『コスモス』にみるライプニッツ主義について
5 世界と個体の失効について
6 新しい調和について
7 マニエリスム的身体について
8 出会いの場としての身体について
9 新しい調和の聴取について
10 『襞』と私たち

第10章 オピニオンに抗する闘い――オピニオンの恥辱について
1 オピニオンとは何か
2 オピニオンと社会心理学的類型について
3 哲学への動機について
4 無限速度と思考について
5 出発点の問題について
6 オピニオンに抗する闘いに向けて

第11章 オピニオンから芸術へ――感覚的生成と対位法について
1 知覚と変様について
2 マテリアルの感覚的生成について
3 言語の社会的性格と小説の基盤について
4 バフチンにおけるパロディについて
5 オピニオンに抗して書くことについて
6 対位法と芸術について
7 未来の耳に託すこと

第12章 オピニオンから哲学へ――概念的生成と反‐実現について
1 概念とオピニオンについて
2 概念的人物と社会心理学的類型について
3 哲学の誕生と移住者について
4 相対的な脱領土化と再領土化、そして二重の生成について
5 合‐間と出来事について
6 反‐実現について
7 哲学と人間科学について
8 『哲学とは何か』と私たち

結論



あとがき

著者について
平田公威(ひらたきみたけ)
1990年、沖縄県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。現在、大谷大学文学部哲学科助教。主な論文に、「ドゥルーズ=ガタリ『千のプラトー』における言語論について――指令語、前提行為、合言葉」(『哲學論集』第69号、2023年)、翻訳に、アンヌ・ソヴァニャルグ「シモンドンと超越論的経験論の構築」(共訳、『ドゥルーズの21世紀』河出書房新社、2019年)などがある。

関連書
スピノザと私たち/アントニオ・ネグリ/信友建志訳/2500円
ジル・ドゥルーズの哲学と芸術――ノヴァ・フィグラ/黒木秀房/4000円
ドゥルーズ 魂の技術と時空・生起-動/中田光雄/5000円
経験と出来事――メルロ=ポンティとドゥルーズにおける身体の哲学/小林徹/6000円

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