12月の新刊:今、絵画について考える

2023年 11月 27日 コメントは受け付けていません。

今、絵画について考える_書影今、絵画について考える
長屋光枝+杉本渚+大島徹也+沢山遼+亀田晃輔+加藤有希子+小野寺奈津+平倉圭(著)
国立新美術館(編)

判型:四六判上製
頁数:288頁+別丁8頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0771-0 C0971
装幀:木村稔将
12月中旬発売!

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今、あらためて絵画と出会い、絵画を語るための8つのアプローチ
画家はいかにして絵画空間をつくり出し、観者はそれをどう受け止めるのか。作品の背後に潜む画家の意図に鋭く迫り、錯綜する批評言説を丁寧に読み解くことで、秘められた絵画の力を解放し、新たな美術史の姿を描き出す。



目次

はじめに

「絵画」を描く――20世紀の絵画へ 長屋光枝
ジョルジュ・ブラックの触覚的な絵画空間――木目模様の描写を巡って(1911―19年) 杉本渚
抽象の探求――カンディンスキーとマレーヴィチの〝非対象/無対象〞の絵画 大島徹也
絵画と全方位――マレーヴィチ、リシツキー、モンドリアン 沢山遼
混淆するイスム(-ismes)――1891年におけるフランス前衛画家たちの布置 亀田晃輔
点描から垣間見える死――ジョルジュ・スーラからダミアン・ハーストへ 加藤有希子
画家としてのダミアン・ハースト――「桜」シリーズにおける実践をめぐって 小野寺奈津
絵画の手 平倉圭

図版一覧

著者について
長屋光枝(ながやみつえ)
1969年、岐阜県に生まれる。現在、国立新美術館学芸課長。近年の主な展覧会企画に、「イケムラレイコ 土と星 Our Planet」(2019年)、「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡――市民が創った珠玉のコレクション」(2022年、いずれも国立新美術館)などがある。
杉本渚(すぎもとなぎさ)
1992年、東京都に生まれる。国立新美術館研究補佐員を経て、現在、石橋財団アーティゾン美術館学芸員。主な研究業績に、「ジョルジュ・ブラックによるヘシオドス『神統記』挿絵版画――大戦間期におけるキュビスムと『秩序への回帰』――」(第74回美術史学会全国大会)などがある。
大島徹也(おおしまてつや)
1973年、愛知県に生まれる。現在、多摩美術大学教授。主な共著書に、Ils ont regardé Matisse (Musée départemental Matisse, 2009)、主な展覧会企画に、「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」(2011―12年、愛知県美術館・東京国立近代美術館)などがある。
沢山遼(さわやまりょう)
1982年、岡山県に生まれる。美術批評家。主な著書に、『現代アート10講』(共著、武蔵野美術大学出版局、2017年)、『絵画との契約――山田正亮再考』(共著、水声社、2016年)、『絵画の力学』(書肆侃侃房、2020年)などがある。
亀田晃輔(かめだこうすけ)
1988年、東京都に生まれる。現在、国立新美術館研究補佐員、神戸大学大学院人文学研究科研究員。主な論文に、「クロード・モネの評価確立の過程――美術批評を通した分析を中心に(1880―1900年)」(2022年)、「クロード・モネとオクターヴ・ミルボー――国際絵画展からモネ・ロダン合同展の美術批評をめぐって(1884―1889年)」(2020年)などがある。
加藤有希子(かとうゆきこ)
1976年、神奈川県に生まれる。現在、埼玉大学准教授。主な著書に、『新印象派のプラグマティズム――労働・衛生・医療』(三元社、2012年)、『カラーセラピーと高度消費社会の信仰――ニューエイジ、スピリチュアル、自己啓発とは何か?』(サンガ、2015年)、主な小説に、『オーバーラップ』(水声社、2023年)などがある。
小野寺奈津(おのでらなつ)
1987年、ニューヨーク州に生まれる。現在、国立新美術館特定研究員。展覧会企画に、「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」(2023年、国立新美術館)がある。
平倉圭(ひらくらけい)
1977年、神奈川県に生まれる。現在、横浜国立大学准教授。主な著書に、『ゴダール的方法』(インスクリプト、2010年)、『かたちは思考する――芸術制作の分析』(東京大学出版会、2019年)などがある。

関連書
ジョセフ・アルバースの授業――色と素材の実験室/DIC川村記念美術館編/3500円+税
見ることの力――20世紀絵画の周縁に/中林和雄/6000円+税

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