2月の新刊:震える物質——物の政治的エコロジー
2023年 12月 29日 コメントは受け付けていません。
震える物質
物の政治的エコロジー
ジェーン・ベネット(著)
林道郎(訳)
判型:四六判上製
頁数:321頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0728-4 C0010
装幀:Gaspard Lenski
2月上旬発売予定!
〈物‐力〉のもつネットワーク
「物」は私たちの経験にいかにして作用しているのだろうか? 私たちもまた「物」なのだろうか?
路上に滞留するゴミの群れ、ニーチェの食事療法、オメガ3脂肪酸の摂取と人間の感情、大規模停電、ES細胞研究、ダーウィンのミミズ……。
不活発で受動的だとされてきた物質のもつ媒介作用を豊富な例から析出し、人間と人間以外のものが連鎖・協働する世界=アセンブリッジを思い描く。物=生命の新たなポリティカル・エコロジー。
【目次】
謝辞
序
第1章 物の力
第2章 アセンブリッジの媒介作用
第3章 食べられる物質
第4章 金属の生
第5章 生気論でも機械論でもなく
第6章 幹細胞と生命の文化
第7章 政治的エコロジー
第8章 活力と自己利益
注
参考文献
人名索引
訳者あとがき
【著者について】
ジェーン・ベネット(Jane Bennett)
1957年生まれ。アメリカの政治理論家・哲学者。1986年、マサチューセッツ大学にて政治学の博士号取得。ジョンズ・ホプキンズ大学教授。主な著書には、『流入と流出――ウォルト・ホイットマンとともに書く』(Influx and Efflux: Writing Up with Walt Whitman, Duke University Press, 2020)、『ソローの自然――倫理、政治、そして野生的なるもの』(Thoreau’s Nature: Ethics, Politics, and the Wild, Maryland: Rowman & Littlefield, 2002)、『近代生活の魅惑――愛着、越境、そして倫理』(The Enchantment of Modern Life: Attachments, Crossings, and Ethics, Princeton University Press, 2001)、『信仰と啓蒙の思考を解体する――ポスト・ヘーゲル時代の自然と国家』(Unthinking Faith and Enlightenment: Nature and the State in a Post-Hegelian Era, New York University Press, 1987、以上すべて未邦訳)などがある。
【訳者について】
林道郎(はやしみちお)
1959年、函館市に生まれる。東京大学文学部卒業後、コロンビア大学大学院美術史学科にて博士号取得。専攻、美術史・美術批評。主な著書には、『静かに狂う眼差し――現代美術覚書』(水声社、2017年)、『死者とともに生きる――ボードリヤール「象徴交換と死」を読み直す』(現代書館、2016年)、『絵画との契約――山田正亮再考』(共著、水声社、2016年)、『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない』(全7冊、アートトレイス、2003-09年)などがある。
【関連書】
静かに狂う眼差し/林道郎/2500円+税