3月の新刊:近代都市と絵画——パリからニューヨークへ
2024年 2月 28日 コメントは受け付けていません。
近代都市と絵画
パリからニューヨークへ
坂上桂子(編)
判型:A5判上製
頁数:250頁+別丁カラー8頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0795-6 C0071
装幀:滝澤和子
3月上旬発売!
都市の表象が映すもの
近代美術の歴史は、近代都市の成立と軌を一にしていた。芸術の都パリは、19世紀の大改造を抜きには語れず、都市生活が新たな視覚と感性を画家にもたらし、印象派以降の潮流が生まれた。かたやニューヨークでは、高層ビルに象徴される巨大な時空間が、前衛芸術の伸長を促した。二大都市で活躍した画家に焦点を当て、都市と芸術の創造的関係を探る。
【目次】
まえがき
第1章 印象派のパリ――モネ,ルノワール,カイユボットらが描くオスマンのパリ 坂上桂子
第2章 無秩序なるパリ――ピエール・ボナールのクリシー広場 吉村真
第3章 モーリス・ドニとパリ――20世紀の公共建築装飾にみる都市 森万由子
第4章 マリー・ローランサンとパリの外国人コレクターたち――収集家の動向から読み解く画家の魅力 由良茉委
第5章 ニューヨークの表象――パリからニューヨークへ 坂上桂子
第6章 ジョージア・オキーフ作《ラジエター・ビル――夜、ニューヨーク》についての一考察――1920年代の芸術家の交流を手掛かりとして 玉井貴子
第7章 岡田謙三の「抽象」――パリとニューヨークの経験を中心に 誉田あゆみ
第8章 河原温〈Today〉シリーズの再考――1966年の《ジャーナル》の読解をつうじて 桝田倫広
あとがき
【編者/執筆者について】
坂上桂子(さかがみけいこ)
早稲田大学文学学術院教授。早稲田大学総合研究機構プロジェクト研究所都市と美術研究所所長。専攻、近現代美術史。主な著書に、『ベルト・モリゾ ある女性画家の生きた近代』(小学館、2006年)、『ジョルジュ・スーラ 点描のモデルニテ』(ブリュッケ、2014年)、主な編著に『危機の時代からみた都市――歴史・美術・構想』(水声社、2022年)などがある。
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吉村真(よしむらしん)
美術史家。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。専攻、フランス近代美術史。主な論文に、「ピエール・ボナール作《画家のアトリエ》に関する考察――1900年頃における窓のモティーフ」(『美術史研究』55)などがある。
森万由子(もりまゆこ)
広島県立美術館学芸員。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。専攻、フランス近代美術史。主な論文に、「モーリス・ドニ作《バッカス祭》にみる家族の肖像とキリスト教主題」(『WASEDA RILAS JOURNAL』第5号、早稲田大学総合人文科学研究センター、2017年)などがある。
由良茉委(ゆらまい)
都市と美術研究所招聘研究員。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専攻、フランス近現代美術史。主な論文に、「マリー・ローランサンの「狩りをするディアナ」 主題作品をめぐる考察」(『早稲田大学大学院文学研究科紀要』67)などがある。
玉井貴子(たまいたかこ)
早稲田大学會津八一記念博物館学芸員。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻、アメリカ美術史。主な論文に、「ジョージア・オキーフとアルフレッド・スティーグリッツに関する一考察」(『美術史研究』52)がある。
誉田あゆみ(こんだあゆみ)
目黒区美術館学芸員。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。専攻、近代西洋・日本近現代美術。主な論文に、「エミール・ガレの『悲しみの花瓶』と黒いガラス作品」(『美術史研究』57)などがある。
桝田倫広(ますだともひろ)
東京国立近代美術館主任研究員。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。担当した主な展覧会に、「ピーター・ドイグ展」(2020年)、「ゲルハルト・リヒター展」(2023年)などがある。
【関連書】
危機の時代からみた都市/坂上桂子編/6000円+税