7月の新刊:ネルヴァル伝

2024年 7月 16日 コメントは受け付けていません。

ネルヴァル伝ネルヴァル伝
クロード・ピショワ+ミシェル・ブリックス(著)
田口亜紀+辻川慶子+畑浩一郎(訳)

判型:A5判上製
頁数:528頁+別丁16頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0727-7 C0098
装幀:宗利淳一
7月下旬発売!

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《幻想詩人》の人生を再構築する
《未知なる可能性の煌めきを放つ魅惑の作家ネルヴァル。マラルメもブルトンもプルーストも彼の愛読者だった。謎に満ちた生涯を解き明かす評伝の刊行に興奮を禁じ得ない。》――野崎歓

ジャーナリズムが勃興した 19世紀フランスにおいて、旅行記、劇評、戯曲、評伝、風刺文など、多方面で活躍したロマン主義の詩人ネルヴァル。ときに《シュルレアリスムの先駆者》、《神秘的》とされがちなこの《幻想文学》の巨人は一方で、文芸をとりまく時代のメディアに深く関わっていた。
作家の出生から自死にいたるまで、新発見の資料を渉猟し、その謎多き人生に迫る。



目次

日本語版への序文

まえがき
第1章 ジェラールの四つの家系
第2章 エチエンヌ・ラブリュニー医師
第3章 子供時代――パリ、モルトフォンテーヌ、サン゠ジェルマン
第4章 作家デビューとバカロレア取得(1826―1829年)
第5章 1830年
第6章 〈若きフランス〉と〈ブーザンゴ〉(1830―1832年)
第7章 プチ・セナークルからイタリア旅行の帰還まで(1832―1834年)
第8章 ドワイエネ通りと『演劇界』創刊(1834―1836年)
第9章 「金髪の探索」へ――旅、幻影(1836年)
第10章 破産を乗り越えて――《ピキーヨ》、ジャーナリズム活動(1837―1838年)
第11章 《レオ・ビュルカール》と1838年のドイツ旅行(1838―1839年)
第12章 ウィーン(1839―1840年)
第13章 ウィーン旅行後から二度目のベルギー旅行(1840―1841年)
第14章 1841年の狂気の発作
第15章 1843年の東方紀行
第16章 1844年1月から1846年4月まで
第17章 1846年5月から1847年12月まで
第18章 第二共和政下にて(1848年1月―1850年春)
第19章 バルザックの死からクーデターへ(1850年夏―1851年12月)
第20章 《ハールレムの版画師》から『ボヘミアの小さな城』へ(1852年)
第21章 デュボワ療養所からブランシュ診療所へ(1853年初旬―1854年5月27日)
第22章 最後のドイツ旅行(1854年6月―7月)
第23章 変容なき死
後世へ


家系図
人名索引
作品名索引

訳者あとがき

著者について
クロード・ピショワ(Claude Pichois)
1925年にパリで生まれ、2004年にヌイイ゠シュル゠セーヌで没する。バール大学、パリ第三大学などで教鞭をとる。専攻、19世紀のフランス文学。主な著書に、Retour à Baudelaire(Slatkine Erudition, Genève, 2005)、Auguste Poulet-Malassis, l’éditeur de Baudelaire(Fayard, Paris, 1996)、また、プレイアード版の『ネルヴァル全集』、および『ボードレール全集』なども編纂する。
ミシェル・ブリックス(Michel Brix)
1958年、ベルギーのブラッススガート生まれ。ベルギー・ナミュール大学研究所所長、ベルギー王立フランス語フランス文学アカデミー会員。専攻、18~19世紀フランス文学史。主な著書に、Libertinage de Lumières et guerre des sexes (Kimé, 2018)、Chronologie de la vie et des œuvres de Gérard de Nerval (Lérot, 2017)、Le Romantisme français (Peeters, 1999)など多数ある。

訳者について
田口亜紀(たぐちあき)
共立女子大学教授(フランス文学)。著書に、Nerval : Recherche de l’autre et conquête de soi ; Contribution au suivi d’une Genèse du Voyage en Orient(Peter Lang Pub Inc., 2010)、『近代日本とフランス象徴主義』(共著、水声社、2016年)、訳書に、ジョルダン+ジョス『100語でたのしむオペラ』(共訳、白水社、2016年)などがある。
辻川慶子(つじかわけいこ)
白百合女子大学教授(フランス文学)。著書に、Nerval et les limbes de l’histoire: Lecture des Illuminés(Droz, Genève, 2008)、編著に、『引用の文学史』(共編、水声社、2019年)、訳書に、ベニシュー『作家の聖別Ⅰ』(共訳、水声社、2015年)などがある。
畑浩一郎(はたこういちろう)
聖心女子大学准教授(フランス文学)。著書に、Voyageurs romantiques en Orient ; études sur la perception de l’autre(L’Harmattan, 2008)、訳書に、『ネルヴァル全集Ⅱ』(共訳、筑摩書房、1997年)、ヤン・ポトツキ『サラゴサ手稿』(全3巻、岩波文庫、2022―2023年。第29回小西財団日仏翻訳文学賞受賞)などがある。


関連書
フロベール 文学と〈現代性〉の行方 松澤和宏+小倉孝誠編/6000円+税
ボードレール 詩と芸術《日仏会館ライブラリー1》 中地義和編/6000円+税
ヴィクトル・ユゴーと降霊術 稲垣直樹/2500円+税
評伝 ポール・ヴァレリー ミシェル・ジャルティ/監訳=恒川邦夫/30000円+税

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