11月の新刊:ブリュヌチエール——ある反ドレフュス派知識人の肖像《言語の政治》

2024年 10月 25日 コメントは受け付けていません。

ブリュヌチエール_書影ブリュヌチエール
ある反ドレフュス派知識人の肖像
《言語の政治》
アントワーヌ・コンパニョン(著)
今井勉(訳)

判型:A5判上製
頁数:400頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0827-4 C0098
装幀:中山銀士(協力=金子暁仁)
11月下旬発売!

試し読み◀/▶直接のご注文はこちらへ◀︎

現代フランスの政治と文学の起源へ
1900年頃、ドレフュス事件による激震のさなかにあった世紀転換期フランス。
文学理論の泰斗は、忘れ去られた保守派の批評家ブリュヌチエールを歴史の舞台に上げる。
ある知識人の著作や書簡をプリズムとして、危機の時代における文芸・宗教・政治の交錯を活写するミクロ・ヒストリー。



目次

序論
 Bacプラスゼロ
 失墜はいっそう厳しく

第1章 ユダヤのフランス
 立場のはっきりしない文人たち
 便利な特異体質
 アレクサンドル・サンジェ夫人、旧姓ラティスボンヌ
 「カトリック教会の外に救済なし!」
 フロールのサロン

第2章 アメリカの印象
 ジョゼフ・レナック、ジャーム・ダルメストテール、アナトール・ルロワ゠ボーリウ、そしてビュローズ夫人
 〈客員教授〉のモデル
 ゾラ、ノックアウト負け
 女性、金銭、ケベック

第3章 アンガージュマン
 訴訟のあと
 可動的民主主義かアンシャン・レジームか
 怒れるフロール・サンジェ
 ニューヨーク‐パリ

第4章 危険を冒す
 「不正義によって正義に達することはない」
 フランス祖国同盟
 ペロー氏の女婿
 「あの信じがたい手品」

第5章 ではカトリックのフランスなのか?
 フロールと護教論
 修道院のユダヤ女
 知られざる傑作

結論
 あえて名のろうとしない反ユダヤ主義なのか?
 絶望した者か、それとも社会主義の教皇か?


人名索引

訳者あとがき

著者について
アントワーヌ・コンパニョン(Antoine Compagnon)
1950年、ブリュッセルに生まれる。コレージュ・ド・フランス名誉教授。アカデミー・フランセーズ会員。専攻、フランス文学。主な著書に、『近代芸術の五つのパラドックス』(水声社、1999年)、『文学をめぐる理論と常識』(岩波書店、2007年)、『ロラン・バルトの遺産』(みすず書房、2008年)、『第二の手、または引用の作業』(2010年)、『文学史の誕生』(2020年、以上、水声社)などがある。

訳者について
今井勉(いまいつとむ)
1962年、新潟県に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、東北大学大学院文学研究科教授。専攻、フランス文学。主な著書に、『ポール・ヴァレリー『アガート』――訳・注解・論考』(共著、筑摩書房、1994年)、『ヴァレリーにおける詩と芸術』(共著、水声社、2018年)、『愛のディスクール』(共著、水声社、2020年)、主な訳書に、コンパニョン『第二の手、または引用の作業』(2010年)、同『文学史の誕生』(2020年、以上、水声社)などがある。

アントワーヌ・コンパニョンの本
近代芸術の五つのパラドックス/3500円
第二の手、または引用の作業/8000円
文学史の誕生/7000円

Comments are closed.