12月の新刊:バルザック『あら皮』研究——ダンテとラブレーから読み解く複合的構想
2024年 11月 29日 コメントは受け付けていません。
バルザック『あら皮』研究
ダンテとラブレーから読み解く複合的構想
吉野内美恵子(著)
判型:A5判上製
頁数:256頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0844-1 C0098
装幀:齋藤久美子
12月上旬発売!
『あら皮』の結末から、天国を透かし見る
ダンテとラブレーの精読を経て、悪魔に魂を売った破滅の物語の『あら皮』は、罪の浄化というもう一つの物語に反転する――
「風俗研究」と「哲学的研究」の架橋をもくろむバルザックの広大な構想が明らかに。
【目次】
序論
1 『あら皮』の構成と新たな読みの可能性
2 『あら皮』の歴史的、社会的背景
3 『あら皮』をめぐる研究史
第1部 ラブレーから読み解くパラテクスト、そして〈あら皮〉に刻まれた文言
第1章 「エピグラフ」の問題点
第2章 「モラリテ」の分析と考察
第3章 〈あら皮〉に刻まれた文言
第2部 ダンテの『神曲』から読み解く「エピローグ」
第1章 『神曲』と『追放された者たち』
第2章 「エピローグ」の考察と『あら皮』の結末
第3章 「エピローグ」の挿絵
第3部 テクストの複合的構想
第1章 骨董店とその店主
第2章 『あら皮』に描かれた七罪
第3章 煉獄の物語
結論
注
書誌
図版出典一覧
あとがき
【著者について】
吉野内美恵子(よしのうちみえこ)
1955年、青森県八戸市に生まれる。名古屋大学卒業、同大学大学院文学研究科人文学専攻博士課程修了。博士(文学)。専攻は19世紀フランス文学。主な論文には、「バルザック『あら皮』に隠された煉獄の物語」(『フランス語フランス文学研究』第113号、日本フランス語フランス文学会、2018年)などがある。
【バルザック関連書 】
バルザック詳説 柏木隆雄/4000円+税
バルザック「脳」と「知能」の小説家 東辰之介/4000円+税