12月の新刊:マヤ・デレン――眼差しは何を見ていたのか
2024年 12月 9日 コメントは受け付けていません。
マヤ・デレン
眼差しは何を見ていたのか
石井達朗(著)
判型:四六判上製
頁数:298頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0837-3 C0070
装幀:宗利淳一
12月中旬発売!
ヴードゥーに魅入られた〈実験映画の女神〉
トロツキスト、ダンサー、実験映画作家、ヴードゥーの研究者にしてその根っからの信奉者……
現実と夢幻のはざまを鏡像のようにゆらめく激しい生のなかで、何を見つめ、何を求めていたのか。代表作『午後の網目』から人類学的な著作『聖なる騎手たち』までを含む全作品を網羅し、知られざる全貌を明らかにする。
【目次】
はじめに
I トロツキズムからハイチのヴードゥーへ
第1章 マヤ・デレン誕生前夜
第2章 キャサリン・ダンハム――多大な影響を与えた舞踊家
第3章 ヴードゥーにかける途方もない情熱――四回にわたるハイチ滞在の背景
Ⅱ 白い暗黒――祭祀、憑依、芸術論
第4章 『聖なる騎手たち――生きているハイチの神々』――ヴードゥー調査・研究の渾身の成果
第5章 「宗教と呪術」――ヴードゥー信仰の核心に迫る
第6章 『芸術、形式、映画についての思考のアナグラム』――論理を張り巡らせた芸術論・映画論
Ⅲ 映像は何を語っているのか――「作品」としての映画分析
第7章 『午後の網目』――夢であり現実であり……真実は双方のなかに
第8章 『陸地にて』――官能的な違和の感覚
第9章 『カメラのための振付けの研究』――超短編に込められた先駆性
第10章 『変形された時間での儀礼』――周到にモンタージュされた儀礼(リチュアル)としての構造
第11章 『暴力についての瞑想』――流麗な動きに秘められた暴力とは?
第12章 『夜の深み』――最後の映画/星空を垂直的に
参考文献
図版一覧
あとがき
【著者について】
石井達朗(いしいたつろう)
舞踊評論家。私立ニューヨーク大学(NYU)パフォーマンス研究科研究員、慶應義塾大学教授、州立ハワイ大学・愛知県立芸術大学・お茶の水女子大学・早稲田大学などの講師を経て、慶應義塾大学名誉教授。専攻、韓国、中国、インド、インドネシアなどの祭祀、伝統舞踊、現代舞踊のフィールドワーク、およびジェンダー・セクシュアリティからみる身体文化、サーカス、脱領域的パフォーマンスアート。ソウル、束草(韓国)、北京、マニラ、ニューヨーク、メキシコシティー、ヴェネチア、レッチェ(イタリア)、ブダペスト、ペーチュ(ハンガリー)、デリー、ブバネシュワル(インド)などで、日本のコンテンポラリーダンスや舞踏について講演を行う。主な著書に、『男装論』(1994年)、『アジア、旅と身体のコスモス』(1995年)、『ポリセクシュアル・ラヴ――ひとつではない愛のかたち』(1997年)、『身体の臨界点』(2006年)、『アクロバットとダンス』(2014年、以上、青弓社)、『サーカスのフィルモロジー』(1994年)、『異装のセクシュアリティ』(2003年、以上、新宿書房)、『アウラを放つ闇――身体行為のスピリット・ジャーニー』(パルコ出版、1993年)、『ダンスは冒険である――身体の現在形』(論創社、2020年)などがある。
【関連書】
アナイス・ニンの日記/5000円+税
ジョン・ケージ伝――新たな挑戦の軌跡/ケネス・シルヴァーマン/5800円+税
パリ=東京 映画日記/飯村隆彦/2500円+税
アンチ・ダンス――無為のコレオグラフィ/宇野邦一+江澤健一郎+鴻英良編/4200円+税