12月の新刊:『ロラン・バルト』『ロートレアモンと文化的アイデンティティー』『オイリュトミーが育むこころとからだ』
2011年 12月 19日 コメントは受け付けていません。
12月に刊行予定の新刊ラッシュはまだ続くのですが、
まずは海外文学/思想のこの3冊から。
いずれも12月22日頃から全国の書店に配本予定です。
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桑田光平
ロラン・バルト——偶発事へのまなざし
四六判上製243頁/定価=2500円+税ISBN 978-4-89176-886-7 C0098 12月22日頃発売
装幀=宗利淳一+田中奈緒子
文学、この危険な横断——。
『水声通信』連載分へ大幅に加筆修正、
俊英の手になる瞠目のバルト論。
《バルトの「私」は軽い。それは、新しい「私」を求める軽さである。だが、その根底には、「私」にまとわりつく意味への疲労がある。疲労した「私」は、エクリチュールを通して「私」をいくらか放棄することで、意味もいくらか放棄しようとする。しかし、どれだけ「私」を放棄しても、「私」であるという感覚からは逃れることができない。それは再び疲労の源泉となる。この無限に続く弁証法が「テクスト」と呼ばれるものを産出したのであり、この運動それ自体を、バルトは「テクスト」と呼んだのである。》——本書より
【目次】
Ⅰ「始まり」をめぐって
疲労について
いかにして共に生きるか
どこから始めるべきか
Ⅱ「イメージ」をめぐって
まなざしについて
〈モアレ〉のまなざし
イメージの休息——ダニエル・ブーディネの写真
『偶発事』、あるいは落葉拾い
サイ・トゥオンブリ、あるいは脱ぎ落とされたズボン
Ⅲ「教育」をめぐって
教育の余白——ぼんやりとしながら……
セミナー「恋愛のディスクール」を読む
(1)方法について
(2)テクストからモアレへ
(3)パリノーディアー
(4)終わりなきエクリチュール
Ⅳ「ロラン・バルト」をめぐって
詩人バルト?
中国のバルト
テクストと実存
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レイラ・ペロネ=モイセス+エミール・ロドリゲス・モネガル
寺本成彦訳
ロートレアモンと文化的アイデンティティー
——イジドール・デュカスにおける文化的二重性と二言語併用A5判上製174頁/定価=2500円+税
ISBN 978-4-89176-860-7 C0098 12月22頃発売
ロートレアモンを読み換える、〈南米〉からの声。
14歳で渡仏したウルグアイ出身のイジドール・デュカス。
その彼がスペイン語を話せないわけがない!
いままで不問のまま放置されたバイリンガルの問題に焦点をあて、
詩人の本質に肉薄する意欲的な研究。
《イジドール・デュカスは、ウルグアイ人であった。そのこと自体は誰にとっても、まったく耳新しいことではない。少なくとも逸話としてなら。このよく知られた事実〔……〕から、他の事実が導き出されてくる。デュカスはバイリンガルであったに違いないのだ。信憑性のある仮説として考えられているにもかかわらず、文学上の結果に対してその事実が持つインパクトは——完全にとまではいわないまでも——ほとんど忘れ去られてしまっている。〔……〕それゆえ、彼が流暢にスペイン語を話したということを認めるべきなのだ。それは常識的な問題に他ならなかったのだ。》
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秦理絵子
オイリュトミーが育むこころとからだ——動きの教育学
A5判上製154頁/定価=2200円+税ISBN 978-4-89176-884-3 C0073 12月22日頃発売
オイリュトミー100年!
本邦初のオイリュトミー教育/芸術論。
オイリュトミーが子どもたちの様々な感覚に働きかけ、その成長をいかにひきだすか。
——シュタイナー学校のカリキュラムの展開にそって
オイリュトミーの教育的可能性をさぐる。