2月の新刊:J・M・クッツェー 命をめぐる思索
2025年 2月 12日 コメントは受け付けていません。
J・M・クッツェー 命をめぐる思索
『夷狄を待ちながら』から『恥辱』へ
川村由美(著)
判型:A5判上製
頁数:218頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0767-3 C0098
装幀:宗利淳一
2月中旬発売!
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歌い継がれる《不死の願い》
南アフリカ出身のノーベル文学賞作家、J・M・クッツェー。難解とされてきたその作品世界の根幹をなすメカニズムとは? 創作ノートを精査することで、内容・舞台、そして発表時期のまったく異なる代表作『夷狄を待ちながら』『恥辱』に続編関係を見出し、立体的に精読する、クッツェー研究の新たなる到達点。
【目次】
はじめに
第1章 過去――死の二つの意味
1 死の二重性について
2 「誰も死に値しない」
3 読めないという意志
4 夢――もう一つの物語
5 最終シーンについて
第2章 過去から現在――生と死のパターン
1 『夷狄を待ちながら』の創作ノートに記された初期構想
2 『夷狄を待ちながら』の初期構想と完成版『夷狄を待ちながら』
3 『夷狄を待ちながら』の初期構想と『恥辱』
4 反復であり続編であること
5 『夷狄を待ちながら』その後
第3章 現在――父娘のパターン
1 『恥辱』以前――『夷狄を待ちながら』の創作ノートおよび『夷狄を待ちながら』における父娘関係
2 ソラヤとその父
3 メラニーとその父
4 デイヴィッドとルーシー
5 デイヴィッドとペトラス
第4章 現在から未来へ――オペラと犬
1 イタリアのバイロン
2 オペラ構想の変更――デイヴィッドの変化
3 情熱の欠如
4 犬――二つのグループ
5 犬の火葬
6 『夷狄を待ちながら』の創作ノート――死者の埋葬
7 不死の願い
8 愛について――ドリーポート
第5章 未来へ――ルーシー
1 死の影
2 ルーシーの抵抗
3 ヒエラルキーの解消――ルーシーの成長
4 マイケル・Kとルーシー
5 新たな世界へ――処女懐胎の物語
おわりに
注
引用文献
あとがき
【著者について】
川村由美(かわむらゆみ)
早稲田大学大学院人間科学研究科ほか非常勤講師。桐朋学園大学音楽学部演奏学科を卒業後、音楽および舞台全般に関わる雑誌編集等を経て、早稲田大学大学院文学研究科に進学。2019年に博士号(文学)を取得。