3月の新刊:落語と学問する

2025年 2月 25日 コメントは受け付けていません。

落語と学問する_書影落語と学問する
森本淳生・鈴木亘(編)

判型:46判並製
頁数:268頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0848-9 C0076
装幀:西山孝司
3月中旬発売!

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落語的思索のすすめ
落語は、世の習いに潜むおかしさを明かし、聴く者に問いを投げかけているのではないだろうか? 言葉と身ぶりが生み出す融通無碍の世界とともに、文学、美学、映画学、文化人類学、歴史学、パフォーミング・アーツを介して、考える楽しみへと誘う、異色のエッセー集!



目次

はしがき――落語と学問する!
森本淳生

Ⅰ 落語と近代

第1章 落語の複数の「近代」――6代目三遊亭円生と8代目林家正蔵の「淀五郎」演出
鈴木亘

第2章 落語の近代化?――三遊亭円朝「名人長二」とモーパッサン
足立和彦

第3章 敗戦後日本の落語と映画――「兵隊もの」、「長屋もの」、そして『幕末太陽傳』
角尾宣信

Ⅱ 落語と言語

第4章 午後の保健室で血はだくだくと流れ、平林の名は彷徨いつづける――メタ落語、言語、フィクション
森本淳生

第5章 与太郎のオートマティスム
中田健太郎

第6章 憑依から落語をみる――かたり、ふり、座
石井美保

Ⅲ 落語と共同性

第7章 落語のなかのボロとクズ――捨てられたものの再生
藤原辰史

第8章 演者としての語り――談志落語のライブ性
池野拓哉

第9章 落語と/の教育――本寸法の美的教育
櫻井一成

【付録】
落語論今昔――「ブックガイド」に代えて 鈴木亘
本書に登場する落語家・演目 鈴木亘

あとがき
鈴木亘 

編者/執筆者について
森本淳生(もりもとあつお)
1970年、東京都に生まれる。京都大学人文科学研究所教授。専攻、フランス文学。主な著書に、『小林秀雄の論理――美と戦争』(人文書院、2002年)、『愛のディスクール――ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学』(共編著、水声社、2020年)、主な訳書に、ジャック・ランシエール『文学の政治』(水声社、2023年)などがある。
鈴木亘(すずきわたる)
1991年、栃木県に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科助教。専攻、美学。主な著書に、『声なきものの声を聴く――ランシエールと解放する美学』(堀之内出版、2024年)、主な訳書に、ジョルジュ・ディディ゠ユベルマン『われわれが見るもの、われわれを見つめるもの』(共訳、水声社、2024年)などがある。

足立和彦(あだちかずひこ)
1976年、京都府に生まれる。名城大学法学部教授。専攻、19世紀フランス文学。主な著書に、『モーパッサンの修業時代――作家が誕生するとき』(水声社、2017年)、主な訳書に、アンリ・トロワイヤ『モーパッサン伝』(水声社、2023年)などがある。
角尾宣信(つのおよしのぶ)
1985年、東京都に生まれる。和光大学表現学部准教授。専攻、映画学。主な著書に、『川島雄三は二度生まれる』(共著、水声社、2018年)、『渋谷実 巨匠にして異端』(共編著、水声社、2020年)などがある。
中田健太郎(なかたけんたろう)
1979年、東京都に生まれる。静岡文化芸術大学文化政策学部准教授。専攻、シュルレアリスム研究。主な著書に、『ジョルジュ・エナン――追放者の取り分』(水声社、2013年)、『マンガメディア文化論――フレームを越えて生きる方法』(共編著、水声社、2022年)などがある。
石井美保(いしいみほ)
1973年、大阪府に生まれる。京都大学人文科学研究所教授。専攻、文化人類学。主な著書に、『たまふりの人類学』(青土社、2022年)、『裏庭のまぼろし――家族と戦争をめぐる旅』(亜紀書房、2024年)などがある。
藤原辰史(ふじはらたつし)
1976年、北海道に生まれる。京都大学人文科学研究所准教授。専攻、歴史学。主な著書に、『ナチスのキッチン――「食べること」の環境史』(水声社、2012年/決定版、共和国、2016年)、『植物考』(生きのびるブックス、2022年)などがある。
池野拓哉(いけのたくや)
1979年、茨城県に生まれる。パフォーマー。2002年より、小池博史主宰「パパ・タラフマラ」(2012年まで)や、「小池博史ブリッジプロジェクト――オデッセイ」に参加。主な出演作に、「ガリバー&スウィフト」(パパ・タラフマラ、東京グローヴ座、2008年)などがある。
櫻井一成(さくらいいっせい)
1981年、東京都に生まれる。日本大学文理学部助教。専攻、美学。主な著書に、『リクール読本』(共著、法政大学出版局、2016年)、主な訳書に、『分析美学基本論文集』(共訳、勁草書房、2015年)などがある。

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