4月の新刊:余白の形而上学――ポール・クローデルと日本思想
2025年 3月 18日 コメントは受け付けていません。
余白の形而上学
ポール・クローデルと日本思想
大出敦
判型:A5判上製
頁数:391頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0847-2 C0098
装幀:宗利淳一
4月上旬発売!
存在と無のあわいで
フランス文学史に燦然と輝く詩人は、駐日大使として訪れた異国の地で何を見出したのか。日本というトポスのもと、生者と死者、見えるものと見えないもののあいだに橋を架ける〈媒介者〉のモティーフを手掛かりに、その詩学の核心に迫る。
【目次】
序章 クローデルからマラルメへ――象徴主義者たちの〈観念〉論争
第1章 形而上への扉、日本への扉
第2章 比喩と論理学――クローデルの日光体験
第3章 神とカミのあいだで――神道と形而上
第4章 虚無の形而上学――頽廃としての仏教
第5章 魂の在処――平田国学と『女と影』
第6章 媒介する天使――能のスコラ学
第7章 ものの「ああ性」を求めて――物のあはれの形而上学
第8章 間奏曲――誤解された修辞
第9章 虚無から射かけられる矢――水墨画の神学
第10章 アリストテレスと唐辛子――新たなクラテュロス主義
終章 「東洋という偉大な書物」
注
参考文献一覧
本書で引用されたクローデルの著作索引
人名索引
あとがき
【著者について】
大出敦(おおであつし)
1967年、栃木県に生まれる。筑波大学大学院後期博士課程単位取得退学。現在、慶應義塾大学教授。専攻、フランス文学。著書に、『クローデルとその時代』(編著、2023年)、『ポール・クローデル 日本への眼差し』(共編著、いずれも水声社、2021年)、『プレゼンテーション入門』(2020年)、『クリティカル・リーディング入門』(2015年、いずれも慶應義塾大学出版会)、『マラルメの現在』(編著、水声社、2013年)、訳書に、A・フィロネンコ『ヨーロッパ意識群島』(共訳、法政大学出版局、2007年)などがある。
【関連書】
クローデル小喜劇集/ティエリ・マレ編/4000円+税
クローデルとその時代/大出敦編/6000円+税
ポール・クローデル 日本への眼差し/大出敦・中條忍・三浦信孝編/6000円+税
詩人大使ポール・クローデルと日本/アルバム・クローデル編集委員会編/2500円+税
ポール・クローデル/アンヌ・ユベルスフェルト/4500円+税
ポール・クローデルの黄金の聖櫃――〈詩人大使〉の文化創造とその遺産/ミッシェル・ワッセルマン/3000円+税