3月の新刊:芸術を知らぬ建築家たちへ 寓話「カリフのデザイン」仕儀
2025年 3月 19日 コメントは受け付けていません。
芸術を知らぬ建築家たちへ
寓話「カリフのデザイン」仕儀
ウィンダム・ルイス(著)
要真理子(訳)
判型:四六判上製
頁数:203頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0822-9 C0070
装幀:齋藤久美子
3月下旬発売!
挑発する芸術都市
≪アヴァンギャルド芸術史に特異な光を放つイギリスのヴォーティシズム、その牽引者であったルイスの本著作には、現実の変革と生活の刷新を目指す挑発的かつ挑戦的な芸術的主張が凝縮されている。芸術の再定義を企てる規格外の思考の疾走は、渦のごとく私たちを揺さぶるだろう≫――田中正之(国立西洋美術館 館長)
【目次】
日本語版のための序文 ポール・エドワーズ
著者による序文
第1章 カリフのデザイン
カリフのデザインの寓話
雄牛が音を立てる
政治家の無関心
スタイルという事実がいかに邪魔をするのか
画家が恩恵を受けるであろう場所
選ばれし読者
建築
子どもの芸術と素朴派
機械とライオン
芸術家の幸運
第2章 魚よりも古参の芸術家
魚よりも古参の芸術家
我々の時代の人相学
流行
第3章 パリ
フランスのリアリズム
流行の活用
セザンヌ
パリにおける一般的傾向
マティスとドラン
ピカソ
第4章 アトリエ・ゲーム
第4章への序文
現代の唯美主義者と板材の芸術
猥褻な批評家
私たちは恋に落ちた、サウスケンジントン博物館の喫茶室にある美しいタイルと
ラファエッロの報復
全般的な天性と特殊化された感覚
訳注
参照文献
訳者解説
訳者あとがき
【著者/訳者について】
ウィンダム・ルイス(Wyndham Lewis)
画家、文筆家。1882年、カナダ・ノバスコシア州に生まれる。1957年、ロンドンに没する。第一次世界大戦と時期を同じくして英国で最も大きな前衛芸術運動ヴォーティシズムを始動し、機関誌『ブラスト』を刊行する。砲兵部隊に所属して戦争に参加した後、公式戦争画家となる。主要な絵画作品に、《爆撃を受けた砲兵部隊》(1919年、帝国戦争博物館(ロンドン)蔵)、《プラクシテッラ》(1921年、リーズ市美術館蔵)がある。実際には、油彩よりも線描を好み、多くの優れたドローイングを残している。著書に、『ター』(1918年、邦訳『ブルジョワ・ボヘミアンたち』)、『神の物真似猿』(1930年)、『愛の報い』(1937年)、『自責の念』(1954年)といった小説のほか、『支配される技法』(1926年)、『時間と西洋人』(1927年)、『アメリカと宇宙的人間』(1948年)などの思想的著作がある。
要真理子(かなめまりこ)
東京都に生まれる。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程終了。博士(文学)。現在、跡見学園女子大学文学部教授。専攻は、美学・芸術学、英国モダニズム美術批評。主な著書に、『ロジャー・フライの批評理論――知性と感受性の間で』(東信堂、2005年)、共著に『自然の知覚――風景の構築。グローバル・パースペクティヴ』(三元社、2014年)、『イギリス美術叢書Ⅳ ランドスケープとモダニティ』(ありな書房、2019年)などがある。