4月の新刊:『哲学とナショナリズム』

2014年 7月 30日 コメントは受け付けていません。

哲学ナショ書影
哲学とナショナリズム――ハイデガー結審

 

中田光雄

A5判上製/298頁/定価=4000円+税

ISBN978-4-8010-0011-7 C0010 好評発売中

 

ハイデガーにとってナショナリズムとは、ナチズムとは何だったのか? そして彼の哲学は《現実》といかに切り結んだのか?

ナショナリズムの理念と存在概念の再検討を通して、いまなお議論を誘発しつづける〈ハイデガーとナチズム〉の問題設定を刷新する。

 

【目次】
要旨

まえがき
〈ハイデガーとナチズム〉論争史の現状
〈ハイデガーとナチズム〉批判と審判のルール
〈ハイデガーとナチズム〉成立の場と止揚の場

序 未公刊講義ゼミの新公刊――E・ファユによる告発とS・ジジェクの再審
1 国家と総統国家
2 民族と人種
3 〈人間とは何か〉〈われわれとは誰か〉〈われわれは真に存在しているか〉
4 ハイデガー、もうひとつの「未完のプロジェクト」

Ⅰ 「存在」……とは? 端的に言って……
1 〈〜である〉(Was-sein)と〈〜がある〉(Daß-sein)――極限概念としての「存在」
2 脱−形而上学的な、動き(Bewegung)、運動(Bewegung)、道の生起(Be-weg-ung)としての「存在」

Ⅱ 「われわれ」の時間性と動態性(Bewegtheit)
1 我、実存・現存在、現−存在、世界−内−存在
2 民族、国家、国民
3 歴史

Ⅲ ハイデガー、ドイツ・ナショナリズム、ドイツ哲学
1 ナショナリズムとドイツ・ナショナリズム
2 ドイツ哲学と政治――西欧・英米の観点から

Ⅳ ハイデガーとナチズム
1 ハイデガーにとってナチズムは「運動」(Bewegung)である
2 ハイデガーにとっての「ナチズム運動」(Be-weg-ung)

結 ナチズム運動からヨーロッパ運動へ
1 〈Bewegung〉概念――圧縮と開展
2 〈Be-weg-ung〉事態――現在と未来

注/参考文献/あとがき
【著者】
中田光雄(なかたみつお) 1939年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。同大学院人文科学研究科博士課程中退。パリ大学大学院哲学科博士課程修了。仏国文学博士(Doc. es Lettres)。筑波大学名誉教授。仏国学術勲章。主な著書に、『ベルクソン哲学』(東京大学出版会、1977年)、『抗争と遊戯』(勁草書房、1987年)、『文化・文明』(創文社、1990年)、『政治と哲学』(上下、岩波書店、2002年)、『ベルクソン読本』(共著、法政大学出版局、2005年)、『正義・法−権利・脱−構築』(創文社、2008年)、『現代を哲学する』(理想社、2008年)などがある。

【中田光雄の本】
現代思想と〈幾何学の起源〉――超越論的主観から超越論的客観へ 4000円+税
差異と協成――B・スティグレールと新ヨーロッパ構想 5000円+税

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