2月の新刊:『ジョルジュ・ペレック伝』

2014年 7月 30日 コメントは受け付けていません。

ペレック伝ジョルジュ・ペレック伝――言葉に明け暮れた生涯

デイヴィッド・ベロス

酒詰治男訳

A5判上製/784頁/定価=12000円+税

装幀=宗利淳一

978-4-8010-0026-1 C0098 好評発売中

言葉=文学に賭けた小説家ジョルジュ・ペレックの奇妙な工作文学の軌跡

『物の時代』、『煙滅』、『W』、『人生 使用法』など、革新的作品を発明した小説家ジョルジュ・ペレック。フランス防衛のために闘った父親の戦死、アウシュビッツ=ビルケナウでの母親の死に終世とり憑かれることになった苦悩。滑稽かつ憎みがたき謙虚な生活、芸術と戯れる日々……不遜にして博識なるペレックの作品の誕生に迫る。1994年、「ゴンクール伝記賞」を受賞した、ペレック評伝の決定版!

【目次】
日本語版への序文

読者への案内

Ⅰ 一九三六-一九六五年
1 名前
2 ルバルツフ、ルブリン、ウィーン
3 ペレックとペルシャ湾
4 ベルヴィルとパッシー
5 フランスの瓦解
6 ヴィシー=アウシュヴィッツ
7 ヴィラール=ド=ランス 一九四一-一九四五年
8 オテル・リュテシア 一九四五年
9 アソンプシオン通り 一九四五-一九四八年
10 エタンプ 一九四九-一九五二年
11 門戸開放 一九四八-一九五二年
12 夢想と決断 一九五二-一九五四年
付録 ブレヴィの書籍 ヒーザー・モーヒニーの研究に基づく
13 ティルト
14 手綱つき 一九五五-一九五六年
15 落ち込み 一九五六年
16 音楽、絵画およびよき忠告 一九五六-一九五七年
17 実生活 一九五七年
18 サラエヴォ事件 一九五七年
19 パラシュート降下兵G・ペレック 一九五八年
20 一貫性とパウル・クレー 一九五九年
21 全線 一九五九-一九六〇年
22 ガスパール・ヴァンクレールとは何者「だった」のか
23 キャトルファージュ通り 一九六〇年
24 スファックス 一九六〇年十月-一九六一年六月
25 研究室のペレック 一九六一-一九七八年
26 「パルティザン」誌 一九六二年
27 大冒険 一九六二年
28 『物の時代』 一九六四年
29 初めての賞 一九六五年
付録 『物の時代』 「足取り」

Ⅱ 一九六五-一九七五年
30 ノーネクタイで 一九六五-六六年
31 スファックスへの回帰 一九六六年
32 天国 一九六六年
33 バック通り 一九六六年
34 ザール河畔のウリポ 一九六六年
35 ペレックのファッション 一九六六-六七年
36 セーヌ河畔のウリポ 一九六七年
37 全方位 一九六七年
38 ラジオ・ペレック 一九六七-六八年
39 頓挫 一九六七-一九六八年
40 想像力の支配 一九六八年
41 幸せ 一九六八年
42 安全な場所 一九六八-一九六九年
43 後退 一九六九年
44 時間の制約 一九六九年
45 ぼくは思い出す 一九七〇年
46 犬のようだ 一九七〇-七一年四月
47 分散した一年 一九七一-七二年
48 アヴニュ・ド・セギュール 一九七二年
49 シモン=クリュベリエ通り 一九七二年
50 ロケ 一九七三年
51 ウザルトュニロック 一九七三年
52 M/W 一九七四年
53 リンネ通り 一九七四-七五年
54 カトリーヌ 一九七五年夏

Ⅲ 一九七五-一九八二年
55  作家業
56 見え隠れ
付録 一九七六年の内容見本
57 装置の検分
58 友人と交際
59 『人生 使用法』
60 軌道への発射
61 映画の仕事
62 ブランコに乗ったアクロバット芸人
63 詩人ペレック
付録 麗しき現存
64 オーストラリアでの五十三日
65 ロベール・セルヴァル殺し
66 「死ぬまでになすべきことども」



図版 出典一覧

ジョルジュ・ペレック作品一覧

ペレック作品の索引

人名索引

訳者あとがき
【著者】
デイヴィッド・ベロス (David Bellos) 1945年、英国に生まれる。マンチェスター大学でフランス語を教える。フランス19世紀の作家たち、とりわけオノレ・ド・バルザックに関する多くの論文に加えて、ジョルジュ・ペレックの主要作品――『人生 使用法』、『物の時代』、『Wあるいは子供の頃の思い出』、『五十三日』――の英訳をてがける。1997年以来、米国プリンストン大学教授。1999年には映画作家ジャック・タチの伝記も刊行している。

【訳者】
酒詰治男(さかづめはるお) 1944年、東京に生まれる。甲南女子大学文学部名誉教授。専攻フランス文学。主な著書に、『文学をいかに語るか』(共著、新曜社、1996)、主な訳書に、ペレック『人生 使用法』(水声社、1992/2013)、ペレック『家出の道筋』(水声社、2011)、ペレック『Wあるいは子供の頃の思い出』(水声社、2013)などがある。

【ペレックの作品】
『人生 使用法』 酒詰治男訳 5000円+税
『Wあるいは子供の頃の思い出』 酒詰治男訳 2800円+税
『家出の道筋』 酒詰治男訳 2500円+税
『煙滅』 塩塚秀一郎訳 3200円+税
『さまざまな空間』 塩塚秀一郎訳 2500円+税
『美術愛好家の陳列室』 塩塚秀一郎訳 1500円+税
水声通信6号《ジュルジュ・ペレック》 1000円+税
小誌 風の薔薇5号《ウリポの言語遊戯》 1500円+税

【書評】
ジョルジュ・ペレックの生涯にとりつくのに、だれがどうやってこの使用法よりもうまくやってのけられるのか想像しにくい。
————ギルバート・アデア(「サンデー・タイムズ」紙)

ベロス教授の書物は、ペレック〈作品〉の意図して奇妙奇天烈な側面を賞味させてくれると同時に、変幻自在なその性質の理由といわれを理解させてくれる。
————ジョナサン・ロムニー(「リテラリー・レヴュー」誌)

ひとつの時代、ひとつの状況の再現として貴重な読み物。
————塩塚秀一郎(「図書新聞」2014年6月14日付)

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