7月の新刊:『マンガを「見る」という体験』

2014年 8月 21日 コメントは受け付けていません。

カバー『マンガを「見る」という体験――フレーム、キャラクター、モダン・アート』

編者=鈴木雅雄
執筆者=伊藤剛/野田謙介/齊藤哲也/加治屋健司/中田健太郎
A5判並製/268頁/定価=2800円+税
978-4-8010-0051-3 C0095  好評発売中
装幀=宗利淳一

マンガの視覚文化論

コマ/フレーム、キャラクターを通して、われわれはどのようにマンガを眺めているのか。マンガ批評、文学研究、美術史を専門とする気鋭の論者たちが、マンガをめぐる時間・運動・言説の問題を自在に語り、新たな理論的枠組から視覚体験としての〈マンガ〉を問いなおす。

【目次】
第Ⅰ部 マンガの時間、絵画の時間
消える男/帰ってくる男――マンガから見た絵画・シュルレアリスム(伊藤剛)
瞬間は存在しない――マンガ的時間への問い(鈴木雅雄)

第Ⅱ部 マンガのコマ、絵画のフレーム
マンガにおけるフレームの複数性と同時性について――コマと時間をめぐる詩論(一)(野田謙介)
分裂するフレーム――シュルレアリスム〈と〉マンガ(齊藤哲也)

第Ⅲ部 マンガをめぐる言説、美術をめぐる言説
マンガと美術――現代美術批評の観点から(加治屋健司)
マンガ表現と絵画の境界をどう考えるか――フィギュ―ルという接点(中田健太郎)

第Ⅳ部 シュルレアリスムの視覚体験とマンガ
ロプロプが飛び立つ――動いてしまうイメージの歴史のために(鈴木雅雄)

【編者/執筆者】
鈴木雅雄(すずきまさお) 1962年、東京都生まれ。東京大学大学院地域文化研究科博士課程満期退学。現在、早稲田大学教授。専攻、シュルレアリスム研究。著書に、『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』(平凡社、2007年)、『ゲラシム・ルカ――ノン=オイディプスの戦略』(水声社、2009年)、訳書に、バンジャマン・ペレ『サン=ジェルマン大通り一二五番地で』(風濤社、2013年)などがある。

伊藤剛(いとうごう) 1967年、愛知県生まれ。名古屋大学理学部卒業。現在、東京工芸大学准教授。マンガ批評家。著作に、『テヅカ・イズ・デッド』(NTT出版、2005年)、『マンガを読む。The Manga Reviews』(青土社、2008年)などがある。
野田謙介(のだけんすけ) 1977年、大阪府生まれ。京都大学総合人間学部卒業。マンガ研究者・翻訳者。雑誌『Pen』No.204の特集「世界のコミック大研究。」の企画・構成を手がける。訳書に、ティエリ・グルンステン『マンガのシステム――コマはなぜ物語になるのか』(青土社、2009年)、エマニュエル・ギベール『アランの戦争――アラン・イングラム・コープの回想録』(国書刊行会、2011年)などがある。
齊藤哲也(さいとうてつや) 1976年、北海道生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、明治学院大学准教授。専攻、シュルレアリスム研究。著書に、『零度のシュルレアリスム』(水声社、2011年)、『ヴォルフガング・パーレン――幻視する横断者』(水声社、2012年)などがある。
加治屋健司(かじやけんじ) 1971年、千葉県生まれ。ニューヨーク大学大学院美術研究所博士課程修了。現在、京都市立芸術大学芸術資源研究センター准教授。専攻、現代美術史・批評史。著書に、『中原佑介美術批評選集』(共編著、現代企画室+BankART出版、2011年〜)、訳書に、ボワ/クラウス『アンフォルム――無形なものの事典』(共訳、月曜社、2011年)などがある。
中田健太郎(なかたけんたろう) 1979年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。現在、日本大学非常勤講師。専攻、シュルレアリスム研究。マンガ批評家。著書に、『ジョルジュ・エナン――追放者の取り分』(水声社、2013年)、論文に、「理論の見る夢――オートマティスムの歴史」(『思想』、2012年第10号)などがある。

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