9月の新刊:《批評の小径》『夢かもしれない娯楽の技術』
2014年 10月 22日 コメントは受け付けていません。
『夢かもしれない娯楽の技術』
著者=ボリス・ヴィアン
編訳者=原野葉子
四六判上製/264頁/定価=2800円+税
978-4-8010-0058-2 C0097 好評発売中!
装幀=宗利淳一
日常を優雅に遊ぶヴィアン版人生使用法
コルビュジエ風DIYのすすめ、クラシックカーへの偏愛、億万長者になる方法、市バスの生態学、旅行記、戦争論、ロボット社会で生き延びる道……
現実と虚構のあわいで軽やかに綴られたエッセイを、「くらす」「でかける」「まなぶ」の3部に収録。ささやかな日々の暮らしをとびきり贅沢に過ごすための、突拍子もないアイディアが満載!
【目次】
第1部 くらす
極小サイズのアパルトマン
読者への回答
アパルトマンを見つけてしまって……
君に億万長者の素質はあるか?
お上品なだけじゃだめ……思いやりが大事
ディープキスよ永遠なれ
2000年の日曜日
もしも、あと24時間しか生きられないとしたら?
第2部 でかける
乗合バス
1900年風のバカンス
まだ新車を買うなんて!
バカンス行くのも楽じゃない
夢かもしれない娯楽の技術
第3部 まなぶ
民衆の知恵についての監督官=発行人への手紙
超重要問題ならびにその他もろもろについての監督官=発行人への手紙
道徳的等式についての監督官=発行人への手紙
戦争ぺてん師についての副執政官男爵閣下への手紙
建築とSF
文芸批評の効用
詩人ロボットなんかこわくない
訳者解説
【著者/編訳者】
ボリス・ヴィアン(Boris Vian) 1920年、パリ郊外のヴィル=ダヴレーに生まれ、1959年、パリに没する。作家、詩人、翻訳家、ジャズ・トランペット奏者、シャンソン歌手など多彩な方面で活躍した。パリ中央工芸学校を卒業後、技師として勤務するかたわら、旺盛な創作・評論活動を開始。「脱走兵」を始めとするシャンソンの作詞や、ジャズ評論によっても知られる一方、作家としてはヴァーノン・サリヴァン名義による『墓に唾をかけろ』(1946年)で発禁処分をうける。文学作品が正当な評価を得たのは死後のことである。代表作に、小説『日々の泡』(1947年)、『心臓抜き』(1953年)のほか、戯曲『帝国の建設者』(1959年)、旅行案内『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』(1974年)などがある。
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原野葉子(はらのようこ) 1975年、広島市に生まれる。京都大学大学院博士課程修了。現在、広島文教女子大学講師。専攻、20世紀フランス文学。主な訳書に、レーモン・クノー『文体練習』(共訳、水声社、2012年)、主な論文に、「Poetica pataphysica ボリス・ヴィアンにおけるパタフィジック的想像力について」(博士論文)、「文学空間のn次元を探索する――ペレック/ウリポ/パタフィジック」(『水声通信6』、2006年4月号)などがある。