9月の新刊:『経験と出来事』

2014年 10月 22日 コメントは受け付けていません。

経験と出来事カバー『経験と出来事―― メルロ=ポンティとドゥルーズにおける身体の哲学』

小林徹
A5判上製/405頁/定価=6000円+税
ISBN978−4−8010−0069−8 C0098 好評発売中!
装幀者:atelier fusain

揺れ動く〈身体〉――

「経験」に根差したメルロ=ポンティの思考と,絶えず「出来事」へと滑り込んでいくドゥルーズの思考とを往還しながら,現代における〈身体〉の在り処を指し示す。《「私」とは、実は、無数の他者を含んで変奏され続ける意識のメロディーなのではないだろうか。「世界」とは、実は何よりもまず、絶えずおのれを刷新し、新しいものを無限に生み出していくような創造的力動の劇場なのではないだろうか。「ここでいま」過ぎ去っていくものとは、いったい何なのか。われわれは「現在」の只中で、〈変化〉の方へと目を向け直さねばならない……。》

【目次】
序論

第一部 意味の発生
第一章 世界の経験/第二章 語る言葉と語られた言葉/第三章 言葉と沈黙/第四章 意味の論理学/第五章 出来事の実現と反実現/第六章 思考の発生学

第二部 肉と襞
第一章 世界の奥深さ/第二章 〈肉〉の存在論に向けて/第三章 〈意識〉の哲学――レイモン・リュイエル/第四章 〈情報〉の哲学――ジルベール・シモンドン/第五章 世界という卵/第六章 襞から襞へ

第三部 幻覚的瞬間
第一章 現象的領野/第二章 スタイルの発生/第三章 線の冒険――メルロ=ポンティとアンリ・ミショー/第四章 精神の試練――ドゥルーズとアンリ・ミショー/第五章 絵画の力/第六章 運動と時間――二つの映画論

結論

【著者】
小林徹(こばやしとおる) 1975年,東京都に生まれる。パリ第1大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専攻、フランス現代哲学。現在,慶應義塾大学ほか非常勤講師。主な論文に,「身体を横断するもの――レイモン・リュイエルの思想」(『フランス哲学・思想研究』第18号,2013)などがある。

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