11月の新刊:『高松次郎を読む』
2014年 12月 29日 コメントは受け付けていません。
高松次郎を読む
編者 真武真喜子、神山亮子、沢山遼、野田吉郎、森啓輔
執筆者 高島直之、石子順造、刀根康尚、針生一郎、中原佑介、宮川淳、尾野正晴、倉俣史朗、川俣正、ジョセフ・ラヴ、神山亮子、寺山修司、李禹煥、鷹見明彦、藁科英也、菅木志雄、東野芳明、高梨豊、梅津元、たにあらた、宇佐美圭司、真武真喜子、谷藤史彦、神田直子
A5判上製、288頁、定価4000円+税 好評発売中!
978−4−8010−0074−2 C0070
装幀=宗利淳一
〈「問い」を発明、発見すること。解決するのではなく、より直接的、総合的で難解な、そしてしびれるほどに美しい「問い!」そのものの発明や発見にはげむこと……しかし、それは何を意味し、何を強いられることになるだろうか?〉
1960年代後半から日本の「現代美術」を牽引し、40年にわたり制作をつづけた高松次郎。その60年代の「点」「影」「遠近法」のシリーズ、ハイレッド・センターのイベントから90年代の絵画作品までの多彩な活動、思考の全体を見渡す高松次郎作品論集。
【目次】
Ⅰ ハイレッド・センター、直接行動から批評まで
〈不在〉への想像力——「世界拡大計画」をめぐって 高島直之/ハイレッド・センターにみる美術の〈現代〉 石子順造/ハイ・グループあるいは幻影の時代のグループ 刀根康尚/高松次郎の10年 針生一郎
Ⅱ 影をめぐって
幻の影を慕いて……(1) 中原佑介/高松次郎個展 宮川淳/高松次郎論——
存在論的行為者への文学的数学愛好者からの手紙 石子順造/「トリックス・アンド・ヴィジョン 盗まれた眼」展について 尾野正晴/建築工事仮囲いに“異変” 倉俣史朗/アートサーカス(日常からの跳躍)川俣正
Ⅲ 物質と知覚
「高松次郎個展」の問題提起 石子順造/国際大賞—高松次郎《THE STORY》 ジョセフ・ラヴ/1970年代初頭の日本のゼログラフィー・アート――高松次郎を中心に 神山亮子/この七つの文字 寺山修司、高松次郎——表象作業から出会いの世界へ 李禹煥/鍵のかかった窓に射した影——日本の反芸術と高松次郎 鷹見明彦/「もの派」とは何であったか――場所・行為・プロセスをめぐって 高島直之
Ⅳ 実在から関係へ
知覚の統御 中原佑介/高松次郎における1970年代——立体造形の展開について 藁科英也/高松次郎〈拡大する断片〉 菅木志雄/70年代の「陰翳礼讃」 高松次郎=「光と影」 東野芳明/地続きでない風景 高梨豊/「写真の写真」を見ること 梅津元
Ⅴ 絵画へ
面における秩序の感覚——高松次郎の平面作品 たにあらた/平面上の空間——高松次郎「平面上の空間」より 宇佐美圭司/「単体」から読む「平面上の空間」 真武真喜子/身体のエクリチュール 谷藤史彦/高松次郎の「形」をめぐって 神田直子
解題
主要参考文献
「世界拡大計画」のための問い――あとがきに代えて 真武真喜子+神山亮子
【編者について】
真武真喜子(またけまきこ) 1951年生まれ。同志社大学文学部美学芸術学専攻卒業。2003年3月まで北九州市立美術館学芸員。国際芸術センター青森学芸員を経て、2010年から、インディペンデント・キュレーター。2003年、高松次郎『世界拡大計画』『不在への問い』を共同編集。2004年、府中市美術館、北九州市美術館開催の「高松次郎―思考の宇宙」展に企画協力した。
神山亮子(かみやまりょうこ) 1971年生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。専攻、戦後日本の美術史。開設準備室を経て、2000年から府中市美術館学芸員。「高松次郎―思考の宇宙」展を企画担当。主な論文に「可能性のドローイング」(『高松次郎 All Drawings』 大和プレス、2009年)がある。
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沢山遼(さわやまりょう) 1982年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。専攻、美術批評。主な論文に、「繋辞なき反復――高松次郎の非―命題」(『Jiro Takamatsu Critical Archive vol.1』ユミコチバアソシエイツ、2012年)がある。
野田吉郎(のだよしろう) 1981年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程満期退学。専攻、表象文化論、美術批評。現在、東京文化財研究所研究補佐員。
森啓輔(もりけいすけ) 1978年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。専攻、日本近現代美術、美術批評。現在、ヴァンジ彫刻庭園美術館学芸員。主な論文に、「高松次郎『単体』と『複合体』の間──境界に揺らぐ波」(『Jiro Takamatsu Critical Archive vol.4』ユミコチバアソシエイツ、2012年)がある。
【関連書】
世界拡大計画 高松次郎 4000円+税
不在への問い 高松次郎 4500円+税
高松次郎 言葉ともの――日本の現代美術1961−72 光田由里 3000円+税
【関連展覧会】
高松次郎ミステリーズ 東京国立近代美術館 2014/12/2—2015/3/1 開催中
高松次郎 制作の軌跡 国立国際美術館 2015/4/7—7/5 開催予定