12月の新刊:《小島信夫短篇集成》③『愛の完結/異郷の道化師』
2014年 12月 29日 コメントは受け付けていません。
小島信夫短篇集成③
愛の完結/異郷の道化師
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=堀江敏幸
月報=吉増剛造・猪俣和也
A5判上製/600頁/定価8000円+税
ISBN978-4-8010-0063-6 C0393 好評発売中!
装幀=西山孝司
夫婦のあいだだけとはかぎらない揺れ動く男女関係のなかで、愛に似たなにかが萌し、またそれが愛として完結したとすると、じつはもう愛の本質から外れたことになる。小島信夫が初期の作品で追い求めていたのは、愛からはみ出していながら、そのはみだしをふくめた全体が愛と呼ばれうるという構造的な矛盾と柔軟性だった。(堀江敏幸「解説」より)
小島信夫の全短篇を網羅するシリーズ、第3回配本。
人間の生を鋭く穿ちつづける小島の小説世界は、アメリカ滞在での経験、そして夫婦のセックスをめぐる考察を経て、新たな段階へと突入する――
生(性)と死が交錯する謎めいた名篇「愛の完結」、姦通というモチーフを男と女それぞれの視点から探究する「黒い炎」「神のあやまち」、カフカ的戦争小説とも呼ぶべき不条理劇「城壁」などの他、単行本未収録作品「赤い布のついたビン」「清滝寺異変」「ケ・セラ・セラ」「塙善兵衛のこと」「東京の忍術使い」をふくむ、全20篇(1956〜1959)を収録。
*内容見本呈。ご請求ください。
目次
巡視
愛の完結
赤い布のついたビン
清滝寺異変
黒い炎
ケ・セラ・セラ
覗かれる部屋
神のあやまち
教壇日誌
狼藉者のいる家
広い夏
異郷の道化師
贋の群像
アメリカを買う
デイトの仕方
城壁
汚れた土地にて
家と家のあいだ
塙善兵衛のこと
東京の忍術使い
解題 柿谷浩一
完結することのない愛を支える方法 堀江敏幸
【次回配本】
④夫のいない部屋/弱い結婚 解説=平田俊子 予価8000円+税
【小島信夫の本】
《小島信夫批評集成》
①現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
②変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
③私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
④私の作家遍歴Ⅰ 解説=保坂和志 6000円+税
⑤私の作家遍歴Ⅱ 解説=宇野邦一 6000円+税
⑥私の作家遍歴Ⅲ 解説=阿部公彦 6000円+税
⑦そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
⑧漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税
*
小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税
*
未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信②/小島信夫を再読する 1000円+税