12月の新刊:『黒沢清と〈断続〉の映画』
2014年 12月 29日 コメントは受け付けていません。
黒沢清と〈断続〉の映画
著者=川崎公平
A5判上製/376頁/定価=5000円+税
978-4-8010-0072-8 C0074 好評発売中!
「断」「続」が共存するホラー映画の臨界点
観る者の予断を翻弄し続ける特異な作品群によって世界の映画シーンを震撼させてきた奇才・黒沢清。
彼が思考する〈ホラー映画〉、ひいては〈映画〉というメディアそれ自体のリミットはいかにして作品に刻み込まれているのか。
『CURE』以降の6つの作品を解体・再構築しながら、断絶と接続の二重性=〈断続〉というキーワードによって、映画創作の核心に迫る初の本格的黒沢清論。
《黒沢の映画は、切り離されたりつながったりする「関係」を、単に物語内で中心に据えているだけではない。そこでは、それに重なりあうかたちで、映画それ自体における「関係」が思考されている。本書においてその映画自体の「関係」のありようは、「断続」という言葉で表現されることになるだろう――》(本文より)
〔目次〕
序章 二重性の二重化
第一部 〈関係〉の重層――『CURE』をめぐって
第一章 媒介者の肖像
第二章 「断続」をめぐる闘争
第二部 〈非‐人間〉と〈断言〉の未来——ホラーのリミット
第三章 「決定」をやりなおす
第四章 根拠なき分身
第三部 〈過去〉の明滅——出会いの準備
第五章 事後の光
第六章 記憶喪失者のフラッシュバック
終 章 「戦い」をはじめなおすために
註/参考文献/フィルモグラフィ
あとがき
〔著者について〕
川崎公平(かわさきこうへい) 1979年、北海道に生まれる。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、北海道大学大学院文学研究科専門研究員、明治学院大学非常勤講師。専攻、映像論、日本映画論。主な著書に、『ナイトメア叢書④ 映画の恐怖』(青弓社、2007年)、『ヴィジュアル・クリティシズム――表象と映画=機械の臨界点』(玉川大学出版部、2008年)などがある。