12月の新刊:《フィクションの楽しみ》『古書収集家』
2014年 12月 29日 コメントは受け付けていません。
《フィクションの楽しみ》
古書収集家
グスタボ・ファベロン=パトリアウ/高野雅司 訳
四六判上製/284頁/定価=2800円+税
978-4-8010-0079-7 C0097 好評発売中!
装幀=宗利淳一
狂気は追いやられても、精神の片隅で計り知れない苦悩と不安の言動に隠れて、そのまま残っているのです。
ジャーナリスト、編集者でもある言語学者が、北米産ミステリーと60年代南米小説の実験精神を融合させた驚異のデビュー作!
『古書収集家』は野心的で複雑な小説だ……読むことを通して作品の創造に加わり、空想にふけり、この小説の豊かで味わい深い文章に秘められた緻密な意味と謎を享受することができる読者は、いつまでも本書を忘れることはないだろう。――マリオ・バルガス=リョサ
【著者について】
グスタボ・ファベロン=パトリアウ 1966年、ペルーのリマに生まれる。作家、文芸批評家、ジャーナリスト。現在、ボードウィン大学准教授。主な著書に、『反乱者――十八世紀スペイン系アメリカにおける先住民の蜂起と新興国家』(Tecnos, 2006)、『アレゴニーに抗して――十九世紀ラテンアメリカ文学における覇権と反体制』(Olms Verlag, 2011)、編書に『すべての血――ペルー政治暴力短編小説集』(Matalamanga, 2006)、『野生のボラーニョ』(Candaya, 2008)などがある。
【訳者について】
高野雅司(たかのまさし) 1976年、埼玉県に生まれる。神戸市外国語大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、神戸市外国語大学非常勤講師。専攻、ラテンアメリカ文学。主な論文に「ルイス・セルヌーダにおける自由の模索――『オクノス』を通して」(『Hispánica』第五十七号、日本イスパニヤ学会、2013年)などがある。
【関連書】
メルラーナ街の混沌たる殺人事件 カルロ・エミーリオ・ガッダ/千種堅訳 3500円+税