3月の新刊:ガラスの国境 《フィクションのエル・ドラード》
2015年 4月 28日 コメントは受け付けていません。
ガラスの国境
カルロス・フエンテス 著
寺尾隆吉 訳
4/6判上製/352頁/定価=3,000円+税
ISBN 978-4-89176-956-7 C0397 好評発売中!
装幀=宗利淳一
文学は世界の救世主、このカルロス・フエンテスの信念に限界はない!(ガブリエル・ガルシア・マルケス)
《リオ・グランデの北、
リオ・ブラーボの南、
言葉よ、翔べ、
哀れなメキシコ、
哀れなアメリカ合衆国、
これほど神から遠く離れ、
これほど隣り合っているとは》
国境を接するメキシコとアメリカ。〈こちら側〉と〈あちら側〉の人間たちが生きる世界を九つの物語によって多層的に描き出し、登場人物たちの声を響かせ祖国《メキシコ》を高らかに謳いあげる、現代版〈人間喜劇〉。
目次
首都の娘
痛み
略奪
忘却の線
マキラドーラのマリンツィン
女友達
ガラスの国境
賭け
リオ・グランデ、リオ・ブラーボ
訳者あとがき
【著者/訳者について】
カルロス・フエンテス(Carlos Fuentes) 1928年、パナマに生まれ、2013年5月、メキシコシティにて没。父は外交官。幼少からラテンアメリカ各国やアメリカ合衆国を転々とし、1940年代半ば、メキシコシティに落ち着いて以降は、雑誌の創刊や小説作品の執筆など、精力的に文学活動に乗り出す。1960年代からは「ブームの牽引車」としてラテンアメリカ文学を常にリードし、膨大な数の長編・短編小説、戯曲、エッセイなどを残した。代表作は『澄みわたる大地』(1958年)、『アルテミオ・クルスの死』(1962年)、『テラ・ノストラ』(1975年)。ロムロ・ガジェゴス賞(1962年)、セルバンテス賞(1987年)、アストゥリアス皇太子賞(1994年)などを受賞した。
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寺尾隆吉(てらおりゅうきち) 1971年、愛知県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部准教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著著には、『フィクションと証言の間で――現代ラテンアメリカにおける政治・社会動乱と小説創作』(松籟社、2007年)、『魔術的リアリズム』(水声社、2012年)、主な訳書には、カルロス・フエンテス『澄みわたる大地』(現代企画室、2010年)、フリオ・コルタサル『八面体』(水声社、2014年)などがある。