4月の新刊:〈冒険〉としての小説
2015年 4月 28日 コメントは受け付けていません。
〈冒険〉としての小説――ロマネスクをめぐって
赤羽研三(著)
4/6判上製
416頁
定価4,000円+税
ISBN 978-4-8010-0086-5 C0098 好評発売中!
装幀:西山孝司
生の強度として体験される〈冒険〉とは何か?
バフチン、ルカーチ、ジュネットらの物語論を踏まえ、語り/読み/登場人物における〈冒険〉から小説一般の理論を究明し、19世紀以降の小説(スティーヴンスン、ポー、フロベール、ラディゲ、カミュ)を題材に、多様なジャンルにおける〈冒険〉の諸相に肉薄する。
《本書の狙いは、小説のもつ冒険の側面を明らかにすることである。それでは、この場合の冒険とはいったい何なのか、小説における冒険とはどういう意味をもつのか。(……)読み手は小説を読むことによって、冒険というかたちで生を体験するのである。そしてまさにここにこそ小説を読む面白さ、醍醐味があるのではないか。》(本書より)
目次
はじめに
第1章 ロマネスク
第2章 冒険の様々なかたち
第3章 語りと読み手の冒険
第4章 物語の発生と進行
第5章 状況の設定と人物の行動
第6章 因果性と「思いがけなさ」
第7章 リアルとアクチュアル
第8章 状況の流動性と主体の変容
第9章 小説の締めくくり方
第10章 冒険小説における冒険とその不可能性――コンラッド『ロード・ジム』
第11章 恋愛における冒険――ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』
第12章 新たな冒険の可能性――カミュ『異邦人』
おわりに
註
あとがき
【著者について】
赤羽研三(あかばけんぞう) 1949年、東京生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、上智大学教授。専攻、現代フランス思想・詩学。主な著書に、『言葉と意味について考える Ⅰ/Ⅱ』(夏目書房、1997年)、『危機のなかの文学』(共著、水声社、2010年)、主な訳書に、ジュリア・クリステヴァ『ポリローグ』(共訳、白水社、1986年)、ミシェル・フーコー『考古学と系譜学』(共訳、新評論、1992年)、サラ・コフマン『芸術の幼年期』(水声社、1994年)などがある。
[関連書](価格税別)
物語のディスクール G・ジュネット/花輪光・和泉涼一訳 5000円
ナラトロジー入門――プロップからジュネットまでの物語論 橋本陽介 2800円
小説の楽しみ 小島信夫 1500円