6月新刊:ジョイスをめぐる冒険
2015年 6月 23日 コメントは受け付けていません。
ジョイスをめぐる冒険
夏目博明(著)
判型:A5判上製
頁数:307頁
定価:4000円+税
ISBN:978−4−8010−0102−2 C0090 好評発売中!
装幀者:齊藤久美子
内容紹介:
ジョイスに挑む。
アリュージョンを手がかりにテクストの成り立ちを探り、仕組まれたトリックをかいくぐり、『ユリシーズ』を読みとく。さまざまな批評理論を駆使し、アイルランドの歴史、経済にも論及する。ジョイス研究の新たな方位をさぐる試み。
目次:
序論 ジョイス・インダストリーの流れのなかで
第1章 『ユリシーズ』を読む
1 分立の調べ
2 ブルームの受難の構図——テクスト世界からの脅威
3 内的アリュージョン―—テクスト形成の原理
4 《ナウシカア》をめぐる全体と部分
5 海辺の娘ガーティ
6 《イタケ》の語りを語る語り
7 『ユリシーズ』批評の未来
第2章 ジョイスと批評理論
1 ジェイムズ・ジョイスにおける「主体」の問題
2 ディコンストラクション批評——デリダのジョイス、ジョイスのデリダ
3『ユリシーズ』のなかの読者
4『ユリシーズ』批評(1)——モリーの出自
5『ユリシーズ』批評(2)——モリー像の変遷
6 ふしだらな女が精神分析を受けると―—ジョイスとジェンダー
7 1904年ダブリン物語——モリーをめぐる物語
8 モダニズムという制度
9 『フィネガンズ・ウェイク』のナゾ謎々
第3章 ジョイスとアイルランド
1 ヒベルニアとしてのアイルランド―—ガーティと「市民」
2 「姉妹」におけるタイトルと語り
3「レースの後で」の時代と背景
4 死者が近づく夜——ケルト文化から読む「土」
5 ジョイスのダブリン
6 レオポルド・ブルームノ経済事情
解題 結城英雄+吉川信+山田久美子
あとがき 夏目康子
著者について:
夏目博明(なつめひろあき) 1954年生まれ。2011年没す。一橋大学法学部卒業、筑波大学大学院博士課程イギリス文学専攻満期退学。青山学院大学名誉教授。専攻、ジェイムズ・ジョイス、アイリッシュ・アメリカン、批評理論。主な著書に、『文学の受容』(共著、研究社、1985)、『辺境のマイノリティ』(共著、英宝社、2002)、『亡霊のイギリス文学』(共著、国文社、2012)、主な訳書に、A・J・マッケナ『暴力と差異』(法政大学出版局、1997)、A・N・ファーグノリ他『ジェイムズ・ジョイス事典』(共訳、松柏社、1997)などがある。
関連書:
『ユリシーズ』と我ら―—日常生活の芸術/デクラン・カイバート著/坂内太訳/5000円+税
ジョイスとめぐるオペラ劇場/宮田恭子著/4000円+税