7月新刊:ロリア侯爵夫人の失踪《フィクションのエル・ドラード》
2015年 7月 28日 コメントは受け付けていません。
ロリア侯爵夫人の失踪
ホセ・ドノソ(著)
寺尾 隆吉(訳)
判型:四六判上製
頁数:176頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-89176-957-4 C 0397 好評発売中!
装幀者:宗利淳一
内容紹介:
ドノソの小説はチリにとっての〈神々の黄昏〉だ。(フリオ・コルタサル)
ドノソのすべてがいつも最良の文学だった。(マリオ・バルガス・ジョサ)
“アイロニーに貫かれた官能的文体”
外交官の娘としてマドリードに来たブランカ・アリアスは、若くしてロリア侯爵と結婚する。若さ、富、美貌、すべてを備えた侯爵夫人に唯一欠けていたのは、夫との〈愛の達成〉だった。未亡人となりながらも快楽を追求し続け、さまざまな男性を経験するブランカにおとずれるものとは……!?
軽妙なタッチで人間の際限ない性欲を捉え、その秘められた破壊的魔力を艷やかながらもどこか歪に描き出す、ドノソ的官能小説!!
著者について:
ホセ・ドノソ(José Donoso)
1924年、チリのサンティアゴのブルジョア家庭に生まれる。1945年から46年までパタゴニアを放浪した後、1949年からプリンストン大学で英米文学を研究。帰国後、教鞭を取る傍ら創作に従事し、1958年、長編小説『戴冠』で成功を収める。1964年にチリを出国した後、約17年にわたって、メキシコ、アメリカ合衆国、ポルトガル、スペインの各地を転々としながら小説を書き続けた。1981年にピノチェト軍事政権下のチリに帰国、1990年には国民文学賞を受けた。1996年、サンティアゴにて没。代表作に、『夜のみだらな鳥』(1970、水声社より近刊)、
『別荘』(1978)、『絶望』(1986)などがある。
訳者について:
寺尾隆吉(てらおりゅうきち) 1971年、愛知県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著著には、『フィクションと証言の間で――現代ラテンアメリカにおける政治・社会動乱と小説創作』(松籟社、2007)、『魔術的リアリズム』(水声社、2012)、主な訳書には、ホセ・ドノソ『境界なき土地』(水声社、2013)、ホセ・ドノソ『別荘』(現代企画室、2014)などがある。
関連書:
《フィクションのエル・ドラード》(既刊=★)
襲撃 レイナルド・アレナス/山辺弦訳
気まぐれニンフ ギジェルモ・カブレラ・インファンテ/山辺弦訳
バロック協奏曲 アレホ・カルペンティエル/鼓直訳
時との戦い アレホ・カルペンティエル/鼓直訳
方法再説 アレホ・カルペンティエル/寺尾隆吉訳
対岸 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
八面体 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳 2200円+税(★)
境界なき土地 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
ロリア侯爵夫人の不思議な失踪 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳(★)
夜のみだらな鳥 ホセ・ドノソ/鼓直訳
ガラスの国境 カルロス・フエンテス/寺尾隆吉訳+税(★)
案内係 ほか傑作短篇集 フェリスベルト・エルナンデス/浜田和範訳
別れ フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
人工呼吸 リカルド・ピグリア/大西亮訳(次回配本予定!)
圧力とダイヤモンド ビルヒリオ・ピニェーラ/山辺弦訳
ただ影だけ セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳 2800円+税(★)
孤児 フアン・ホセ・サエール/寺尾隆吉訳 2200円+税(★)
傷跡 フアン・ホセ・サエール/大西亮訳
マイタの物語 マリオ・バルガス・ジョサ/寺尾隆吉訳
コスタグアナ秘史 フアン・ガブリエル・バスケス/久野量一訳
* タイトル、訳者は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。