7月新刊:黒いロシア 白いロシア──アヴァンギャルドの記憶≪水声文庫≫
2015年 7月 28日 コメントは受け付けていません。
黒いロシア 白いロシア
アヴァンギャルドの記憶
武隈喜一(著)
判型:四六判上製
頁数:354頁
定価:3500円+税
ISBN:978−4−8010−0121−3 C0070 好評発売中!
装幀者:宗利淳一
内容紹介:
〈革命〉によって,芸術文化が華開いた〈白いロシア〉の背後には,政治的抑圧によって社会的混乱に陥った野蛮な〈黒いロシア〉があった。ロシア革命からペレストロイカ以降までの芸術と政治の光と影を対照的に描き上げた,斬新な芸術─革命論!
目次:
Ⅰ アヴァンギャルドの記憶
永遠なる綱渡りをめざして──ロシア・アヴァンギャルドの地平
民衆の創造力の復権に向けて──ロシア・アヴァンギャルド演劇の機能
民衆演劇とアジプロ劇──ロシア・アヴァンギャルド演劇の方法
「演劇の十月」再考
革命の街頭芸術──民衆芸術としてのロシア・アヴァンギャルド
Ⅱ ロシアフラグメント
アレクサンドル・ブロークの夏
予言の鳥「ガマユーン」は歌う──ブロークとクリューエフ
忘れられた詩人・歌手──アレクサンドル・ヴェルチンスキイについて
ロマンスの歴史の断片──ピョートル・レシチェンコについて
「黄色いバビロン」のロシア人
ドミトリイ・チョームキンと群集劇,西部劇
パガニーニの帽子──ある出会いの記録
パトロネージュの黄金時代──ロシア文化を支えた実業家たち
美術史の巨大な胃袋──エルミタージュ美術館
Ⅲ ペレストロイカの見た夢
ソ連における言論の自由とは何か──官僚主義と国家統制の中で
ソ連におけるエコロジー運動とは何か──繰り返しのきかない道
ソ連における「報道の客観性」とは何か──グラスノスチの二重の危機
グラスノスチはどこへ行くのか
インテリゲンチャはどこへ行くのか
メディアはどこへ行くのか
黒いロシア──世界の脅威としての
Ⅳ モスクワれとろすぺくてぃぶ
トーポリの舞うモスクワで
ガリツィアの小さな町で──ウクライナ民族主義について
キエフの坂道で
絵画の大ロシア主義──イリヤ・グラズノフについて
イーゴリとの対話──政治家と『プラウダ』について
聖者の帰還──モスクワのソルジェニツィン
露天の古本
頽廃の匂いの町──ウラジオストクにて
地下都市の秘密──ディッガーたちの下水道探検
バービエ・リェータの哲学散歩
アイスを片手に──土曜の午後の散歩
シベリアの冬──ウォッカと蒸し風呂
アボーシカおばさん──冬の風物詩から
アルバート通りの骨董屋
マースレニツァ──「光の春」のおとずれ
救世主寺院の再興──建都850年に向けて
新興宗教の時代──神秘主義と終末論
対独戦勝記念日──「勝利した民族に栄光あれ!」
復刻盛んな出版界
世紀末の画家〈ヴルーベリの間〉
〈10月19日〉と街の古本商
30年代の記憶──タトリンの墓、メイエルホリドの家
復活する旧地名──名前と記憶
詩人ニコライ・ルプツォフについて
女性詩人ヴィトゥフノフスカヤ事件について
アルマトィの街角で
「主よ、憐れみ給え」の声が
ブライトンビーチの波打ち際で
イヴァノヴォの女性たち
苛酷な時代の刻印──流しの本屋
古書オークション体験記
古書に憑かれた人びと
ショスターコヴィチの夕べ
「ボリス・ゴドゥノフ」註釈本の面白さ
プーシキン決闘の地──チョールナヤ・レーチカにて
任命された国民詩人──プーシキン生誕二百年祭
真冬の夢の館──〈マリインスキイ劇場〉の常連たち
引用文献
主要参考文献
初出一覧
あとがき
著者について:
武隈喜一(たけくま きいち) 1957年,東京都に生まれる。1980年,上智大学外国語学部ロシア語学科卒業,1982年、東京大学文学部露文科卒業。大学卒業後,出版社,通信社を経て,1992年からテレビ朝日に勤務。1994年から1999年,モスクワ支局長。2012年から2013年,北海道大学スラブ研究センター客員教授。
主な編訳書に,『ロシア・アヴァンギャルドⅡ 演劇の十月』(国書刊行会,1988),『ロシア・アヴァンギャルドⅠ 未来派の実験』(国書刊行会,1989,ともに共編)などがある。
関連書:
ロシア・アヴァンギャルドの映画と演劇/岩本憲児著/3000円+税
ロシア・アヴァンギャルドの世紀/江村公著/4000円+税
ロシア・アヴァンギャルド遊泳/大石雅彦著/3500円+税
危機の時代のポリフォニー/桑野隆著/3000円+税
ロトチェンコとソヴィエト文化の建設/河村彩著/6000円+税
ロシア・アヴァンギャルド小百科/タチヤナ・コトヴィチ著/桑野隆他訳/8000円+税
メイエルホリド 演劇の革命/エドワード・ブローン著/浦雅春,伊藤愉訳/5000円+税
モスクワ芸術座の人々/アナトーリー・スメリャンスキー著/木村妙子訳/3500円+税
日常と祝祭/アレクサンドル・プジコフ著/木村妙子訳/4000円+税
サーカスと革命/大島幹雄著/2800円+税