9月の新刊:人工呼吸 《フィクションのエル・ドラード》

2015年 10月 2日 コメントは受け付けていません。

人工呼吸 カバー

人工呼吸(《フィクションのエル・ドラード》シリーズ)

リカルド・ピグリア(著)
大西亮(訳)

判型:四六判上製
頁数:328頁
定価:2,800円+税
ISBN:978-4-89176-958-1 C0397 好評発売中!
装幀者:宗利淳一

内容紹介:
既成の価値観を疑うピグリアの小説は、〈不信〉の創造的な形式である。(フアン・ビジョーロ)
19世紀のロサス時代に活躍しながらも、亡命先で言葉を残し続けたエンリケ・オソリオ。演説中に撃たれ、言葉を口にすることしかできない元上院議員ドン・ルシアーノ。アルゼンチンの記憶を体現する二人に関心を寄せ、書簡を交えて歴史を再構成するエミリオ・レンシとその叔父マルセロ・マッジ。そして戦火を逃れ亡命してきたポーランド人タルデフスキ……
迫り来る死の相貌を《不在》のもとに刻印し、祖国の未来を照射する書簡体小説の第一部から、〈語りえぬもの〉について語られる第二部を通して、封じ込められた歴史の運動に息を吹き込む現代アルゼンチン文学の傑作。

【著者/訳者について】
リカルド・ピグリア(Ricardo Piglia)  1940年、アルゼンチンに生まれる。早くからスペイン文学やアルゼンチン文学、北米文学に親しむ。国立ラプラタ大学では歴史学を専攻する一方、短編小説や評論の執筆に手を染める。デビュー作となった短編集『侵入』(1967)から代表作『人工呼吸』(1980)を経て最新作『イダの道』(2013)にいたるまで、創作と批評の融合にもとづく独特の作風は内外から高い評価を得ている。ボルヘスをはじめとするアルゼンチン作家に関する評論やエッセーも数多く発表。『燃やされた現ナマ』(1997)は映画化され、日本でも公開されている。『夜の標的』(2010)でロムロ・ガジェゴス賞やマヌエル・ロハス賞を受賞。長年教鞭をとったプリンストン大学を退き、現在は同大学名誉教授。近年は、ボルヘスをテーマにしたテレビ公開講座に講師として出演するなど、活躍の場を広げている。

大西亮(おおにしまこと)  1969年、神奈川県に生まれる。神戸市外国語大学大学院博士課程修了(文学博士)。現在、法政大学国際文化学部教授。専攻、ラテンアメリカ文学。主な訳書には、アドルフォ・ビオイ=カサーレス『メモリアス――ある幻想小説家のリアルな肖像』(2010、現代企画室)、J・J・アルマス・マルセロ『連邦区マドリード』(2014、水声社)などがある。

関連書:
《フィクションのエル・ドラード》(既刊=★)
襲撃 レイナルド・アレナス/山辺弦訳
気まぐれニンフ ギジェルモ・カブレラ・インファンテ/山辺弦訳
バロック協奏曲 アレホ・カルペンティエル/鼓直訳
時との戦い アレホ・カルペンティエル/鼓直訳
方法再説 アレホ・カルペンティエル/寺尾隆吉訳
対岸 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳  2000円+税(★)
八面体 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳  2200円+税(★)
境界なき土地 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳  2000円+税(★)
ロリア侯爵夫人の不思議な失踪 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳(★)
夜のみだらな鳥 ホセ・ドノソ/鼓直訳
ガラスの国境 カルロス・フエンテス/寺尾隆吉訳+税(★)
案内係 ほか傑作短篇集 フェリスベルト・エルナンデス/浜田和範訳
別れ フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳  2000円+税(★)
人工呼吸 リカルド・ピグリア/大西亮訳(★)
圧力とダイヤモンド ビルヒリオ・ピニェーラ/山辺弦訳
ただ影だけ セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳 2800円+税(★)
孤児 フアン・ホセ・サエール/寺尾隆吉訳  2200円+税(★)
傷跡 フアン・ホセ・サエール/大西亮訳
マイタの物語 マリオ・バルガス・ジョサ/寺尾隆吉訳
コスタグアナ秘史 フアン・ガブリエル・バスケス/久野量一訳(次回配本予定!)
* タイトル、訳者は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。

 

 

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