12月新刊:散文

2015年 12月 25日 コメントは受け付けていません。

書影(散文)
タイトル 散文
サブタイトル 
桑原喜一(著)

判型:A5判並製
頁数:208頁
定価:2500円+税
ISBN:978−4−8010−0130−5 C0092 好評発売中!
装幀者:齊藤久美子



内容紹介:
見せかけの時代に向けられた,鋭敏な眼差し
「愛猫」「キラキラネーム」「少年時代の追憶」から「3.11」「原発」「三本の矢」に至るまで,迫りくる危機のなかの「日常」を透徹した,ときにユーモラスな眼差しによって描き上げる36の詩篇。


紙切れの文字を渡す
投函することはなかった

文字は文字のままで
言葉が届かない

ただの紙切れで
言葉は届かない

余分な月の
十一月 水は冷たい

欄干から
紙切れを飛ばす

貧しい言葉があり
稚拙な時が流れた

葉擦れの わずかな
切り口が傷むように

宙吊りの数刻が
つたなく復活する
(「閏月」より)


目次:
畑のパッチワーク/備忘録、三月/メール/四十九日法要句/「無主物」/野に、花
/虫干し/シロ クロ/キャッチボール年代記/時分の自分/夢に、釣る/箱庭療法/その歌、その声を想い起そう/「ニーチェの馬」を観た/迷惑な話/発声練習/とうだいもとくらし/はだれ雪の記憶/烏鷺有漏/堅いから、やわらかい殻、/カタリ/ハンドリング/サアちゃんの半眼/殺、/本日休業/鴉に念ずる/助詞の運用/種子/欠片・磁場/皇帝ダリアが霜枯れる/閏月/首振り人形の鬱屈/名の来歴/啄木鳥は笑う/蚊の、つぶやき/些事、標本箱、〈わたし〉という

著者について:
桑原喜一(くわばらきいち)
水声社の詩集:
ピエリアの薔薇/沓掛良彦/5000円+税
夜のガスパール/アロイジウス・ベルトラン/及川茂訳/4000円+税
ビリティスの歌/ピエール・ルイス/沓掛良彦訳/6000円+税
マチネ・ポエティク詩集/福永武彦・加藤周一・原條あき子・中西哲吉・窪田啓作・白井健三郎・枝野和夫・中村真一郎/4000円+税
夏の遺言/山崎剛太郎/3000円+税
薔薇の柩(付・異国拾遺)/山崎剛太郎/2500円+税
果実の重み/佐岐えりぬ詩集/ベルナル・シトロエン仏訳/3500円+税
果実の重み(特装版)/佐岐えりぬ/ベルナル・シトロエン仏訳/20000円+税
わたしの庭はわたしに似ている/川田靖子/2500円+税
私は母を産まなかった──ALLENとMAKOTOと肛門へ/ヤリタミサコ/2000円+税
青葦/春日井建/4000円+税
桧扇〔ひおうぎ〕/鹿島由紀子/3000円+税
扇面流図〔せんめんながしず〕/鹿島由紀子/3000円+税
夢中夢〔むちゅうむ〕/馬場駿吉/3000円+税

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