『『フランケンシュタイン』とヘルメス思想――自然魔術・崇高・ゴシック』刊行記念
2016年 3月 6日 コメントは受け付けていません。
田中千惠子×高山宏「はじめて語られる異貌のフランケンシュタイン像」
『フランケンシュタイン』は、近代の科学的唯物論に対抗するヘルメス〈知〉の復権であり、精神的魔術の文学である――
マッド・サイエンティストといわれてきたフランケンシュタイン博士とは、じつは錬金術を愛する、アグリッパ的自然魔術の継承者であった。彼の錬金術・魔術はヘルメス思想の伝統に深く根ざしている。
『フランケンシュタイン』と錬金術・魔術、ヘルメス思想との深いつながりを、膨大な資料と論証を用いて初めて解明した『『フランケンシュタイン』とヘルメス思想——自然魔術・崇高・ゴシック』が刊行されました。本書は、日本では未紹介のアグリッパ『隠秘哲学について』から薔薇十字主義にいたるまで、『フランケンシュタイン』にまつわるさまざまな魔術的な表象・思潮を丹念に拾いあげながら、フランケンシュタイン博士の人体創造の全貌を明らかにしています。
さらに本書は、欧米の現代エソテリシズム研究を日本で初めて概観・紹介しており、エソテリシズムと文学の関係についても知ることができます。
・錬金術・魔術、神秘主義の視点から『フランケンシュタイン』やロマン主義を見ると何がわかるのか?
・エソテリシズム、ヘルメス思想はどう繋がるのか?
・現代のエソテリシズムの研究はどんな状況なのか?
このようなファウスト的学知をめぐる問題にお答えするため、著者の田中千惠子先生と、その恩師である学魔 高山宏先生をお迎えして、縦横無尽に『フランケンシュタイン』や文学をエソテリックに語りあっていただきます。同時に、現代欧米で盛んに行なわれているエソテリシズム研究の刺激的な現場についても紹介していただきます。
田中千惠子(たなか・ちえこ)
首都大学東京大学院博士後期課程修了。非常勤講師等を経て、ロマン主義文学・現代文学とエソテリシズム思想との関係を研究。主要論文に、‘‘Frankenstein and Hermetism’’、「メアリ・シェリー、孤独な魂の飛翔——The Fields of Fancy におけるプラトン主義的探求」などがある。
高山宏(たかやま・ひろし)
英文学者・批評家・翻訳家。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京都立大学教授、首都大学東京都市教養学部教授、明治大学国際日本学部教授を経て、大妻女子大学比較文化学部教授。マニエリスムから精神史に至るまで、文学・芸術・思想・表象をめぐる分野横断的研究は他の追随を許さない。著書に『アリス狩り』『世紀末異貌』『超人高山宏のつくりかた』『近代文化史入門』、訳書に、バーバラ・M・スタフォード『ヴィジュアル・アナロジー』、エリザベス・シューエル『ノンセンスの領域』、ウィリアム・ウィルフォード『道化と笏杖』など。
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日時:2016年3月26日(土)12:00~14:00(11:30開場)
場所:本屋B&B(世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F)
入場料:1500yen+1drink order
お申込み先:http://bookandbeer.com/event/20160326_frankenstein/
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