3月の新刊:戦争・詩的想像力・倫理
2016年 6月 15日 コメントは受け付けていません。
戦争・詩的想像力・倫理
アイルランド内戦、核戦争、北アイルランド紛争、イラク戦争
伊達直之/堀真理子/佐藤亨/外岡尚美(著)
判型:A5上製
頁数:399頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0157-2 C0090
装幀:齋藤久美子
好評発売中!
内容紹介:
20世紀以降の世界各地でおこるテロ、民族紛争、内戦。この混迷の時代に芸術、文学はいかに対峙するのか。『オイディープス王』、『勝負の終わり』、『しあわせな日々』、『アルカイダへの旅』ほかギリシア劇にインスパイアされた作品を解読し、〈癒し〉〈倫理〉の視点からも考察する。
目次:
まえがき 伊達直之
1920年代建国期のアベイ劇場 ――ロビンソン、オケイシー、イェイツと戦争の記憶 伊達直之
一 アイルランド――第一次世界大戦・独立戦争・内戦
二 アベイ劇場――戦中から内戦期
三 アベイ劇場――ショーン・オケイシーのダブリン三部作
四 イェイツの英語版ギリシア悲劇
黙示録的時代(アポカリプテイツクタイムズ)を見据えて ――第二次世界大戦後のサミュエル・ベケット 堀真理子
一 「非‐場」に立つベケット
二 ホロコースト、冷戦、核戦争
三 ギリシア神話とベケット
四 黙示(アポカリプス)とトラウマ
北アイルランド紛争とギリシア悲劇 ――シェイマス・ヒーニー『トロイの癒し――ソポクレス「ピロクテテス」一変奏』をめぐって 佐藤亨
一 「北アイルランド紛争」(あるいは「ごたごた」)
二 ギリシア神話とソポクレスの『ピロクテテス』
三 『ピロクテテス』の意味――吉田敦彦とエドマンド・ウィルソンの解釈
四 ヒーニーの『トロイの癒し――ソポクレス――「ピロクテテス」の一変奏』
痛みの唯物性(マテリアリテイ)について――イラク戦争とアメリカ演劇の〈倫理〉を問う 外岡尚美
一 イラク戦争について
二 パフォーマンスの政治学
三 痛みの唯物性――イラク戦争と演劇の倫理
あとがき 佐藤亨
著者紹介:
伊達直之(だてなおゆき) 1961年、武蔵野市に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科英文学専攻博士課程単位取得退学、英国ヨーク大学大学院博士課程修了(英文学Ph.D.)。現在、青山学院大学文学部教授。専攻、イギリス・アイルランド文学・文化。主な著書に、『ギリシア劇と能の再生――声と身体の諸相』(共著、水声社、2009)、『近代国家の形成とエスニシティ』(共著、勁草書房、2014)、『戦争・文学・表象――試される英語圏作家たち』(共編著、音羽書房鶴見書店、2015)などがある。
堀真理子(ほりまりこ) 1956年、東京に生まれる。青山学院大学文学部英米文学科卒業、同大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程満期退学、ロンドン大学演劇科修了(M. A.)。現在、青山学院大学経済学部教授。専攻、英米文学・演劇学。主な著書に、『ベケット巡礼』(三省堂、2007)、『ギリシア劇と能の再生――声と身体の諸相』(共著、水声社、2009年)、Samuel Beckett and Pain(Rodopi, 2012. 共編著)などがある。
佐藤亨(さとうとおる) 1958年、一関市に生まれる。明治大学文学部卒業、青山学院大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、青山学院大学経営学部教授。専攻、アイルランド地域・文化研究。主な著書に、『異邦のふるさと「アイルランド」――国境を越えて』(新評論、2005)、『北アイルランドとミューラル』(水声社、2011)、『北アイルランドのインターフェイス』(水声社、2014)などがある。
外岡尚美(とのおかなおみ) 1960年、水戸市に生まれる。上智大学文学部英文学科卒業、ハワイ大学大学院博士課程修了(演劇学Ph. D.)。現在、青山学院大学文学部教授。専攻、アメリカ演劇。主な著訳書に、『境界を越えるアメリカ演劇』(共編著、ミネルヴァ書房、2001)、『ギリシア劇と能の再生――声と身体の諸相』(共著、水声社、2009)、ボビー・アン・メイソン『エルヴィス・プレスリー』(岩波書店、2005)などがある。
関連書:
ギリシア劇と能の再生 佐藤亨/中條忍ほか 4000円+税