4月の新刊:水を得た魚――マリオ・バルガス・ジョサ自伝
2016年 3月 29日 コメントは受け付けていません。
水を得た魚――マリオ・バルガス・ジョサ自伝
寺尾隆吉(訳)
判型:四六上製
頁数:508頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0156-5 C 0098 4月5日頃発売
装丁:宗利淳一
ノーベル賞作家、自らを語る――
作家としてノーベル賞を受賞し、政治家として大統領選挙に出馬したマリオ・バルガス・ジョサ。2つの貌をもつ作家自らが、幼年時代の思い出から職業作家になるまでを回想する〈青春期〉、そして大統領選立候補から敗北までを描いた〈壮年期〉を交互に語る“小説的”自伝。
《私にとって小説を書くとは、生きたくても生きられない人生――多くの冒険――を生きる手段であったし、我々の行動を支配する心の暗い奥底で私を政治活動へ駆り立てたのは、利他的な心などではなく、単なる冒険心だったのかもしれない。》(本書より)
(目次)
第1章 私の父という男
第2章 サン・マルティン広場
第3章 恐ろしいリマ
第4章 民主戦線
第5章 幸運な士官候補生
第6章 宗教、市町村、先祖
第7章 ジャーナリズムとボヘミアン生活
第8章 モビミエント・リベルタッド
第9章 ルーチョ叔父
第10章 公人生活
第11章 同志アルベルト
第12章 陰謀家と龍
第13章 勇敢な小サルトル
第14章 御用知識人
第15章 フリア叔母さん
第16章 大きな変化
第17章 ミトラ鳥
第18章 汚い戦争
第19章 パリ旅行
第20章 終着点
追記
注
訳者あとがき
[著者・訳者について]
マリオ・バルガス・ジョサ(MARIO VARGAS Llosa) 1936年、ペルーのアレキパ生まれ。長編小説『都会と犬ども』(1963)によりビブリオテカ・ブレベ賞を受賞して「ラテンアメリカ文学のブーム」の花形となった後、『緑の家』(1966)、『ラ・カテドラルでの対話』(1969)、『世界終末戦争』(1981)、『チボの狂宴』(2000)といった長編や、文学評論集『嘘からでたまこと』(1990)など、現在まで多数の作品を残している。1994年にセルバンテス賞、2010年にノーベル文学賞を受賞。
寺尾隆吉(てらおりゅうきち) 1971年、愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『魔術的リアリズム――20世紀のラテンアメリカ小説』(水声社、2012)、主な訳書には、カルロス・フエンテス『ガラスの国境』(水声社、2015)など多数ある。