書評『偽アメリカ文学の誕生』『彼我等位』
2009年 8月 4日 コメントは受け付けていません。
『偽アメリカ文学の誕生』
四六判上製360頁/定価=2800円+税ISBN978-4-89176-726-6 C0098 絶賛発売中!
『読売新聞』09年08月01日付朝刊・読書面(本よみうり堂→*)
評者:小野正嗣氏(作家)
偽アメリカ文学者(?)にふさわしい著者の語り口は最高だ。
こむずかしい用語など一切なし。〔……〕 でも著者は
作品に疼く「痛み」に感応せずにはいられない。
そのときテクストの裂け目から思いも寄らぬ「アメリカ文学」が姿を現す。
この遭遇の体験は紛れもなく「本物」である。
『彼我等位——ロシア・アヴァンギャルド/日本・モダニズム』
四六判上製324頁/定価=3500円+税ISBN978-4-89176-722-8 C0090 絶賛発売中!
『図書新聞』09年08月08日号
評者:高山 宏氏(国際日本学)
日露「彼我」の等位感覚を持ちながらロシア前衛文学に
詳しい人間が周囲みわたすに大石雅彦しかいない。
〔……〕甚だしいメタ虚構的実験と黙示録的神秘主義の併存並立
(それを別名マニエリスムと呼ぶのだが)で読者を魅了する
百年前のロシアの前衛に再び目を向けさせる最高のガイドだ。