6月の新刊:(不)可視の監獄
2016年 6月 22日 コメントは受け付けていません。
(不)可視の監獄
サミュエル・ベケットの芸術と歴史
多木陽介(著)
判型:四六上製
頁数:372頁
定価:4000円+税
ISBN:978−4−8010−0186−2 0070
装幀:宗利淳一
好評発売中!
【内容紹介】
これまで深く考察されてこなかったベケットと監獄との親密な関係を探究しながら、現代に生きるわれわれの実存を閉じ込めてきた〈(不)可視の監獄〉を浮き彫りにする、イタリア在住の演出家による渾身のベケット論。
【目次】
序 歴史的寓話
第一部 ベケットと監獄――平穏な客席ではよく分からない芝居
第一章 監獄での『ゴドーを待ちながら』
第二部 一人目のベケット――破壊的創造力
第二章 道化的破壊性
第三章 戦争という創造力
第三部 二人目のベケット――技術空間の中の道化
第四章 道化の失語症
第五章 歴史の音風景が生む新しい声
第六章 光学的闘争(逃走)の軌跡
第七章 技術の知性が書く歴史
第八章 『クワッド』
第四部 三人目のベケット――歴史の瓦礫に舞い降りた天使たち
第九章 歴史の語り部
第一〇章 神の無関心
第一一章 ゼロの身体を超えて
第一二章 東京でゴドーを待ちながら
あとがき――見えない恐怖のアナトミー
【著者について】
多木陽介(たきようすけ) 1962年、東京都に生まれる。演出家・アーティスト、批評家。早稲田大学大学院文学研究科芸術学(演劇)専攻博士課程中退。1988年に渡伊、現在ローマ在住。演劇活動や写真を中心とした展覧会を各地で催す経験を経て、現在は自然環境、社会環境、精神環境においてエコロジーを進める人々を扱った研究を展開。芸術活動、文化的主題の展覧会のキュレーションおよび会場構成、講演、そして執筆と、多様な方法で、生命をすべての中心においた人間の活動の哲学を探究する。著書に『アキッレ・カスティリオーニ――自由の探求としてのデザイン』(AXIS、2007)、訳書にマルコ・ベルポリーティ『カルヴィーノの眼』(青土社、1999)、プリーモ・レーヴィ『プリーモ・レーヴィは語る』(青土社、2002)、アンドレア・ボッコ/ジャンフランコ・カヴァリア『石造りのように柔軟な』(鹿島出版会、2015)などがある。
【関連書】
ベケット――果てしなき欲望/アラン・バディウ/西村和泉訳/2000円+税
サミュエル・ベケット!――これからの批評/岡室美奈子・川島健・長島確編/3800円+税
ベケットを見る八つの方法――批評のボーダレス/岡室美奈子・川島健編/4500円+税
ベケットのアイルランド/川島健/4000円+税