6月の新刊:三声書簡 1888-1890
2016年 6月 22日 コメントは受け付けていません。
三声書簡 1888-1890
アンドレ・ジッド+ピエール・ルイス+ポール・ヴァレリー(著)
松田浩則+山田広昭+塚本昌則+森本淳生(訳)
判型:A5上製
頁数:695頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0166-4 C 0097
装幀:西山孝司
好評発売中!
フランス文学を知る上での第一級の資料。
ジッド、ルイス、ヴァレリーというフランスを代表する作家3人が、1888年〜1890年の青春期に交わした189通の往復書簡集。文学青年として早熟したジッド−ルイスの友情にはじまり、早くから才能の片鱗を見せていたヴァレリーがそこに加わる……この3者のやりとりはやがて、互いに文学意識を高めていく類例をみない“トリオ”となっていく。
フランス文学、さらには近代文学一般について考える上での貴重なテクスト。
《ルイスは最初の詩集を完成させようと理論と実作の両面で努力を重ねていた。従姉マドレーヌとの恋愛の中で、ジッドは『アンドレ・ワルテルの手記』の執筆に苦吟していた。モンペリエで先鋭的な文学に飢えていたヴァレリーは、ルイスとジッドに出会いパリの文芸思潮と直接関わるようになるとともに、初期の重要な詩篇を書くことになる。彼らはみな「自己」をきわめて重要な問題として捉え、友人との間にホモソーシャルとでも呼ぶべきナルシスティックな関係を築いていく。(…)それ自体がひとつの作品と言えるほどの充実した彼らの書簡は、彼ら「ナルシスたち」がいかにして文学世界へと出発していったかを生き生きとわれわれに示している。》
【目次】
訳者はしがき
序文(パスカルメルシエ)
三声書簡 1888-1890
索引
【著者について】
アンドレ・ジッド(André Gide) 1869-1951年。フランスの小説家・批評家。代表作に『背徳者』『狭き門』『田園交響曲』などがある。
ピエール・ルイス(Pierre Louÿs) 1870-1925年。フランスの詩人・小説家。代表作に『ビリティスの歌』『アフロディット』などがある。
ポール・ヴァレリー(Paul Valéry) 1871-1945年。フランスの詩人・批評家。代表作に『若きパルク』『ムッシュー・テスト氏との一夜』などがある。
【訳者について】
松田浩則(まつだひろのり) 1955年、福島県生まれ。神戸大学大学院人文科学研究科教授(フランス現代文学)。著書に、『ポール・ヴァレリー『アガート』訳・注解・論考』(共著、筑摩書房、1994)訳書に、ドニ・ベルトレ『ポール・ヴァレリー』(法政大学出版局、2008)などがある。
山田広昭(やまだひろあき) 1956年、大阪府生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授(フランス文学、精神分析)。著書に、『三点確保――ロマン主義とナショナリズム』(新曜社、2001)、訳書に、『ヴァレリー集成Ⅳ 精神の〈哲学〉』(筑摩書房、2011)などがある。
塚本昌則(つかもとまさのり) 1959年、秋田県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授(フランス近代文学)。著書に、『フランス文学講義――言葉とイメージをめぐる十二章』(中公新書、2012)、訳書に、『ヴァレリー集成Ⅱ 〈夢〉の幾何学』(筑摩書房、2011)などがある。
森本淳生(もりもとあつお) 1970年、東京都生まれ。京都大学人文科学研究所准教授(フランス文学)。編著に、『〈生表象〉の近代――自伝・フィクション・学知』(共著、水声社、2015)、訳書に、J・ランシエール『マラルメ セイレーンの政治学』(共訳、水声社、2014)などがある。
【関連書】
ビリティスの歌/ピエール・ルイス(著) 沓掛良彦(訳)/6000円+税