5月の新刊:失われるのは、ぼくらのほうだ《エコクリティシズム・コレクション》

2016年 6月 21日 コメントは受け付けていません。

失われる失われるのは、ぼくらのほうだ
《エコクリティシズム・コレクション》
野田研一(著)

判型:四六上製
頁数:381頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0141-4 C0090
装幀:滝澤和子
好評発売中!




内容紹介
自己投影としての自然ではなく,あくまでも他者としての自然。近代文学の流れのひとつを継承するネイチャーライティング(エマソン『自然』,ソロー『ウォールデン』,宮崎駿『もののけ姫』,藤原新也『東京漂流』など)を概観しエコクリティシズムの視点からその〈自然/他者〉と〈自己〉との交感を多面的に考察する。


目次
序論 自然という他者――声と主体のゆくえ
第一部 失われるのは、ぼくらのほうだ
1 世界は残る……失われるのは、ぼくらのほうだ――〈いま/ここ〉の詩学へ
2 〈風景以前〉の発見、もしくは「人間化」と「世界化」
3 都市とウィルダネス――ボーダーランドとしての郊外
4 『もののけ姫』と野生の〈言語〉――自然観の他者論的転回
第二部 自然というテクスト
1 自然のテクスト化と脱テクスト化――ネイチャーライティング史の一面
2 〈風景〉としてのネイチャーライティング
3 エマソン的〈視〉の問題――『自然』(1836年)再読
4 コンコードを〈旅〉するソロー――移動のレトリック
5 いま/ここの不在――発見の物語(ナラテイヴ)としての『ウォールデン』
第三部 交感と世界化
1 遭遇、交感、そして対話――世界/自然とのコミュニケーションをめぐって
2 山犬をめぐる冒険――藤原新也における野性の表象
3 自然/野生の詩学――星野道夫+藤原新也
4 環境コミュニケーション論・覚書――交感と世界化
5 風景の問題圏

引用・参考文献
図版出典一覧
索引
あとがき

著者について
野田研一(のだけんいち) 1950年、福岡県に生まれる。立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授。専門はアメリカ文学/文化、環境文学研究、環境コミュニケーション論。主な著書に、『交感と表象――ネイチャーライティングとは何か』(松柏社、2003)、『自然を感じるこころ――ネイチャーライティング入門』(筑摩書房、2007)、編著に、『〈風景〉のアメリカ文化学――シリーズ アメリカ文化を読む 2』(2011)、『〈日本幻想〉表象と反表象の比較文化論』(2015)、『交感幻想――環境と想像力』(近刊、いずれもミネルヴァ書房)などがある。

関連書
〈故郷〉のトポロジーー―場所と居場所の環境文学  喜納育江  2500円
動物とは「誰」か?——文学・詩学・社会学との対話  波戸岡景太  2200円
ピンチョンの動物園  波戸岡景太  2800円
他火のほうへ―—食と文化のインターフェイス  結城正美  2800円
水の音の記憶——エコクリティシズムの試み  結城正美  3000円  〈価格税別〉

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