7月の新刊:アイリッシュ・アメリカンの文化を読む
2016年 7月 13日 コメントは受け付けていません。
アイリッシュ・アメリカンの文化を読む
結城英雄+夏目康子(編)
夏目博明+河原真也+西垣内磨留美+妻鹿裕子+伊達雅彦+吉川信+戸田勉(著)
判型:A5上製
頁数:236頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0192-3 C0098
装幀:齊藤久美子
6月25日発売!
17世紀からはじまったアイルランドからの移民が「想像上の共同体」アメリカでどのような役割をはたしたか。
アイルランド移民の歴史をケネディ家の光と闇,アン・サリヴァンの生涯,オスカー・ワイルドの講演,そして『風と共に去りぬ』,『ダイ・ハード』など文学・映画作品をとりあげ多彩な視点から考察する。
【目次】
目次
序論 アイリッシュ・アメリカンをめぐって 結城英雄 11
第一章 アイルランド人とディアスポラ
移民するアイルランド人はどのように描かれたか
――アイリッシュ・ジョークとイラストに見るアイルランド人 夏目博明 33
アイルランド人作家が再生産する「ことば」
――移民/アイルランド語/アメリカ英語 河原真也 67
第二章 アメリカへのアイルランド人女性の同化
海を渡ったアイリッシュ・コリーン 西垣内磨留美 91
自立するアイルランド女性たち 妻鹿裕子 107
第三章 アメリカ文化におけるアイルランド人表象
アイリッシュ・アメリカンの歌におけるバラの表象 夏目康子 127
アメリカ映画に見るアイルランド系アメリカ人の表象
――警察官・刑事と消防士の世界 伊達雅彦 147
『風と共に去りぬ』をめぐるアイルランド人表象 結城英雄 173
第四章 彷徨と帰郷――アイルランド人作家のアメリカ
講演するアイルランド人
――オスカー・ワイルドとアイリッシュ・アメリカンの聴衆 吉川信 195
帰郷するアイルランド人 戸田勉 217
あとがき 夏目康子 235
【編者について】
結城英雄(ゆうきひでお)
1948年、群馬県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在, 法政大学文学部教授(英文学)。Dublin James Joyce Journal顧問。主な著訳書に, 『「ユリシーズ」の謎を歩く』(集英社、1999年, サントリー学芸賞受賞), ジェイムズ・ジョイス『ダブリンの市民』(岩波文庫, 2004年)などがある。
夏目康子(なつめやすこ) 福島県生まれ。お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科単位取得退学。現在、青山学院大学, 早稲田大学非常勤講師(英文学、アイリッシュ・アメリカン文化)。主な著書に, 『マザーグースと絵本の世界』(岩崎美術社, 1999年)、『不思議の国のマザーグース』(柏書房, 2003年)、『マザーグース・イラストレーション事典』(共編著, 柊風舎, 2008年), 『英語であそぼう マザーグース楽しさ再発見』(全3巻, ミネルヴァ書房, 2014年)などがある。
【執筆者について】
夏目博明(なつめひろあき)
1954年生まれ。2011年没する。筑波大学大学院文芸言語研究科(イギリス文学)博士課程満期退学。青山学院大学名誉教授。主な著訳書に, 『ジョイスをめぐる冒険』(水声社, 2015年), 『文学の受容』(共著, 研究社, 1985年),『辺境のマイノリティ』(共著, 英宝社, 2002年)、『亡霊のイギリス文学』(共著, 国文社, 2012年), A・N・マッケナ『暴力と差異』(法政大学出版局, 1999年)などがある。
河原真也(かわはらしんや)
1970年,京都市生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。現在, 西南学院大学文学部准教授(アイルランド文学)。主な著書に, 『亡霊のイギリス文学――豊饒なる空間』(共著, 国文社, 2012年),『アイルランド文学――その伝統と遺産』(共著,開文社出版,2014年), 『ジョイスの罠――「ダブリナーズ」に嵌る方法』(共著,言叢社,2016年)などがある。
西垣内磨留美(にしがうちまるみ)
1954年,長野県生まれ。奈良女子大学大学院博士課程人間文化研究科単位取得退学。現在,長野県看護大学教授(アフリカ系アメリカ文学、アメリカ文化)。主な著書に,『エスニック研究のフロンティア』(共編著,金星堂,2014年)、『アメリカン・ロードの物語学』(共著,金星堂,2015年),『ジョン・ブラウンの屍を越えて――南北戦争とその時代』(共著,金星堂,2016年)などがある。
妻鹿裕子(めがゆうこ)
1974年,兵庫県生まれ。法政大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在,法政大学兼任講師(英文学)。主な論文に,「女であること 母であること」(『英語青年』第151巻第10号,研究社,2006年),訳書に、津川゠マーダン江利子『アイルランドの風の花嫁』(共訳,金星堂,2014年)などがある。
伊達雅彦(だてまさひこ)
1964年,仙台市生まれ。現在、尚美学園大学教授(ユダヤ系アメリカ文学,アメリカ映画)。共編著に,『ゴーレムの表象――ユダヤ文学・アニメ・映像』(南雲堂,2013年),『ユダヤ系文学に見る教育の光と影』(大阪教育図書,2014年), 『ユダヤ系文学と「結婚」』(彩流社,2015年)。共訳書に,『新イディッシュ語の喜び』(大阪教育図書,2013年)などがある。
吉川信(きっかわしん)
1960年,長崎市生まれ。中央大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在,大妻女子大学教授(イギリス・アイルランド文学)。主な著訳書に,『ジョイスの罠――「ダブリナーズ」に嵌る方法』(共編著,言叢社,2016年)、J・G・フレイザー『初版 金枝篇』(ちくま学芸文庫,2003年),『ジェイムズ・ジョイス全評論』(筑摩書房,2012年)などがある。
戸田勉(とだつとむ)
1955年,神奈川県生まれ。明治学院大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在,常葉大学教授(英文学)。主な著訳書に,『ジョイスの罠――「ダブリナーズ」に嵌る方法』(共著,言叢社、2016年)、ジョン・マクガハン『男の事情、女の事情』(共訳,国書刊行会,2004年)などがある。
【関連書】
ジョイスをめぐる冒険/夏目博明(著者)/4000円+税
ジョイスとめぐるオペラ劇場/宮田恭子/4000円+税
『ユリシーズ』と我ら/デクラン・カイバード/坂内太(訳)5000円+税