10月の新刊:方法異説《フィクションのエル・ドラード》

2016年 10月 24日 コメントは受け付けていません。

方法異説 書影方法異説
《フィクションのエル・ドラード》
アレホ・カルペンティエール(著)
寺尾隆吉(訳)

判型:四六判上製
頁数:328頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-89176-961-1 C0397
装幀:宗利淳一
10月25日頃発売!

カルペンティエールは文学技法の粋を凝らして魔術的世界を生み出した。
(マリオ・バルガス・ジョサ)


〈永遠の独裁制〉を描く傑作
太平洋と大西洋の両方に海岸線をもつ架空の国を舞台に、独裁者〈第一執政官〉を主人公に据え、デカルト的理性のパロディとして「啓蒙的暴君」というラテンアメリカ世界の類型的独裁者の堕落・腐敗を象徴的に描き出す、カルペンティエール随一の傑作長編。

著者/訳者について
アレホ・カルペンティエール(Alejo Carpentier)
1904年、スイスのローザンヌに生まれる。父はフランス人、母はロシア人。主にハバナで教育を受けたものの、家庭内にはフランス文化が色濃く、パリへ留学することもあった。建築家を志すが挫折。1924年から文化雑誌『カルテレス』に寄稿を始め、政治運動にも参加、マチャード独裁政権から27年に投獄を受ける。1928年から39年までパリに滞在し、シュルレアリスムや前衛音楽に影響を受けた。一時ハバナへ戻った後、1945年から59年までベネズエラのカラカスに滞在し、『この世の王国』(1949)、『失われた足跡』(1953)、『追跡』(1956)などの長編小説を刊行した。1959年、キューバ革命勃発とともにハバナへ戻り、革命政府の文化活動に協力。晩年は外交官としてパリで過ごし、『方法異説』(1974)、『バロック協奏曲』(1974)、『ハープと影』(1979)などの作品を発表し続けた。1977年に、ラテンアメリカ作家として初めてセルバンテス賞を受賞している。

寺尾隆吉(てらおりゅうきち)
1971年、愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『魔術的リアリズム――20世紀のラテンアメリカ小説』(水声社、2012)、主な訳書には、カルロス・フエンテス『ガラスの国境』(水声社、2015)など多数ある。

[誤記訂正]
* 本書316頁の20行目/「七二年には」 → 「七八年には」 



カルペンティエルの本
[アンデスの風叢書]
この世の王国/1500円+税
光の世紀/2500円+税
追跡/2000円+税

フィクションのエ・ドラード 】(既刊=★)
襲撃 レイナルド・アレナス/山辺弦訳(次回配本予定!)
気まぐれニンフ ギジェルモ・カブレラ・インファンテ/山辺弦訳
バロック協奏曲 アレホ・カルペンティエール/鼓直訳
時との戦い アレホ・カルペンティエール/鼓直訳
対岸 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳  2000円+税(★)
八面体 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳  2200円+税(★)
境界なき土地 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳  2000円+税(★)
ロリア侯爵夫人の失踪 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
夜のみだらな鳥 ホセ・ドノソ/鼓直訳
ガラスの国境 カルロス・フエンテス/寺尾隆吉訳 2800+税(★)
案内係 フェリスベルト・エルナンデス/浜田和範訳
別れ フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳  2000円+税(★)
人工呼吸 リカルド・ピグリア/大西亮訳 2800円+税(★)
圧力とダイヤモンド ビルヒリオ・ピニェーラ/山辺弦訳
ただ影だけ セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳 2800円+税(★)
孤児 フアン・ホセ・サエール/寺尾隆吉訳  2200円+税(★)
傷痕 フアン・ホセ・サエール/大西亮訳
マイタの物語 マリオ・バルガス・ジョサ/寺尾隆吉訳
コスタグアナ秘史 フアン・ガブリエル・バスケス/久野量一訳 2800円+税(★)
* タイトル、訳者は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。

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