編集部から(編集部 So)
2009年 11月 19日 コメントは受け付けていません。
最近、小社刊行物の書評がいろいろな媒体で書評/紹介されるケースが
増えてきました。担当編集者としては新刊が書店に平積みにされ、
実際に本が売れて読者の手元に届くことがいちばん嬉しいのですが、
ちゃんと書評で取り上げられたり、口コミ等で評判になったりすることにも
大きな喜びを感じます。
そういった意味で、『人工の冬』(パリ版)の刊行、『水声通信』31号での特集と、
このところアナイス・ニンに力を入れてきた私のもとに、
女性ファッション誌の《フィガロ・ジャポン》が彼女の小特集をやりたいと
取材協力を申し入れてきたことは、大変嬉しいニュースでした。
12月20日発売号に掲載される予定ですが、これを機に若い女性層にももっと
アナイス・ニンのことを知ってもらい、彼女の読者が増えることを願ってやみません。
さて、その《フィガロ・ジャポン》誌の11月20日号(11月5日発売)に、
短いながらも的を射た『人工の冬』の書評が出ましたので、紹介しておきます。
“性愛文学”の形を取り、人に潜む意識の行方を描いたアナイス・ニンの第一小説集が、
完全な形で、初めて日本でも読めることになった。
また、夕刊紙の日刊ゲンダイ(11月16日号)にも、
「女性作家による70年前の性愛小説集」として取り上げられました。
—
アナイス・ニン/矢口裕子訳
『人工の冬』
【パリ版オリジナル】
四六判上製328頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-735-8 好評発売中!
異端の愛こそ美しい。
バイセクシュアルな三角関係を濃密に描く「ジューナ」
父と娘のインセストを赤裸々に描く「リリス」
告白する女たちと精神分析医の物語「声」
アメリカで発禁となっていた先駆的な性愛小説三篇が
原形のまま70年ぶりに復活。
*
『人工の冬』と同じく9月に刊行したピエール・ロチの『倦怠の華』も、
意外な媒体で取り上げられました。
早川書房の専門誌《SFマガジン》12月号(10月25日発売)の書評欄で、
SF研究家の牧眞司氏が、
「語られているエピソードは、異国の景観や奇習を綴った紀行あり、
深山に竜を望む幻想あり、ちょっと怪しげな思索あり、幼いころの瑞々しい追想あり、
『千夜一夜物語』ふうの創作ありと、じつに多彩で楽しい。……」
と絶讃され、これまた嬉しい驚きでした。
ピエール・ロチ関連の本も今後刊行していくつもりでいますので、乞うご期待!
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ピエール・ロチ/遠藤文彦訳
『倦怠の華』
四六判上製288頁 定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-741-9 好評発売中!
滑稽で奇抜な話の花束
19世紀から20世紀にかけて
フランス海軍士官として世界中を巡航した
異色作家ロチが変幻自在な対話形式で繰り広げる,
奇妙きてれつな回想/夢/紀行/小話の数々。
ユニークな長文解説を付した本邦初訳作品。