11月の新刊:襲撃《フィクションのエル・ドラード》
2016年 11月 16日 コメントは受け付けていません。
襲撃
《フィクションのエル・ドラード》
レイナルド・アレナス(著)
山辺弦(訳)
判型:四六判上製
頁数:200頁
定価:2200円+税
ISBN:978-4-89176-960-4 C0397
装幀:宗利淳一
11月25日頃発売!
《人類の未来に関する一種の乾いた寓話であり、おそらくは20世紀に書かれた最も壮絶な本だ。》(レイナルド・アレナス)
徹底的なまでの暗黒世界
舞台は唯一無二の独裁者「超厳師」が支配する絶対的な独裁国家。自由を剥奪され「けだもの」として扱われている国民には、ひたすら体制に奉仕するための強制労働が命じられているディストピア社会……。
非人道的な抑圧システムが張り巡らされた世界で、禁止された《囁き》を密告し、違反者たちを抹殺する取締員として頭角を現した主人公は、首都を離れ各地を粛清して回る旅に出る。その狙いはただ一つ、母親を探し出して亡き者にするという妄執的な渇望だった……
キューバの亡命作家レイナルド・アレナスによる自伝的五部作の最後を飾る衝撃的な作品。
【著者について】
レイナルド・アレナス(Reinaldo Arenas)
1943年、キューバ東部オリエンテ州に生まれる。経済的に困窮した少年時代を送るも、キューバ革命後にハバナ大学に入学。卒業後、国立国会図書館に勤務するかたわら貪欲に読書と執筆にはげみ、長篇『夜明け前のセレスティーノ』(1967年)でデビュー。
それ以降は、60~70年代の初期革命政府による芸術家や同性愛者への激しい弾圧により、国内での出版を禁じられるとともに、強制労働や投獄など過酷な体験をこうむった。
国外で出版した『めくるめく世界』(1967年)の成功によって、ブームの一員として国際的な評価を獲得。1980年に亡命して以降はマイアミ、ニューヨークへと拠点を移し、旺盛な執筆活動と革命政府への激越な批判を展開する。1987年、エイズ感染が発覚。自伝的小説の5部作「ペンタゴニア」の完成に注力し、『夏の色』(1991年)、『夜になる前に』(1992年)を書き上げる。執筆を終えた1990年に自殺。
【訳者について】
山辺弦(やまべげん)
1980年、長崎県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、日本学術振興会海外特別研究員として、ニューヨーク大学比較文学科に在籍。専攻、キューバを中心とする現代ラテンアメリカ文学。博士論文として、『定位されざる逆説的遁走――ビルヒリオ・ピニェーラとレイナルド・アレナスの長編小説における「弱い」身体の政治性』(2014年)、主な著書には、『抵抗と亡命のスペイン語作家たち』(共著、洛北出版、2013年)、主な訳書には、デイヴィッド・ダムロッシュ『世界文学とは何か?』(共訳、国書刊行会、2011年)、などがある。
【フィクションのエル・ドラード 】(既刊=★)
気まぐれニンフ ギジェルモ・カブレラ・インファンテ/山辺弦訳
バロック協奏曲 アレホ・カルペンティエール/鼓直訳
時との戦い アレホ・カルペンティエール/鼓直訳
対岸 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
八面体 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳 2200円+税(★)
境界なき土地 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
ロリア侯爵夫人の失踪 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
夜のみだらな鳥 ホセ・ドノソ/鼓直訳
ガラスの国境 カルロス・フエンテス/寺尾隆吉訳 2800+税(★)
案内係 フェリスベルト・エルナンデス/浜田和範訳
別れ フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
人工呼吸 リカルド・ピグリア/大西亮訳 2800円+税(★)
圧力とダイヤモンド ビルヒリオ・ピニェーラ/山辺弦訳
ただ影だけ セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳 2800円+税(★)
孤児 フアン・ホセ・サエール/寺尾隆吉訳 2200円+税(★)
傷痕 フアン・ホセ・サエール/大西亮訳(次回配本予定!)
マイタの物語 マリオ・バルガス・ジョサ/寺尾隆吉訳
コスタグアナ秘史 フアン・ガブリエル・バスケス/久野量一訳 2800円+税(★)
* タイトル、訳者は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。