2月の新刊:傷痕《フィクションのエル・ドラード》
2017年 2月 27日 コメントは受け付けていません。
傷痕
《フィクションのエル・ドラード》
フアン・ホセ・サエール(著)
大西亮(訳)
判型:四六判上製
頁数:328頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-89176-962-8 C0397
装幀:宗利淳一
好評発売中!
サエールは20世紀アルゼンチン文学において、ボルヘスに次いでもっとも偉大な作家である。(ベアトリス・サルロ)
〈妻殺しの容疑者が取調中に窓から身を投げた……〉
自殺の瞬間に偶然立ち会った若き新聞記者アンヘルと、自堕落な生活を続けるその母。容疑者の旧友で賭博に入れこむ元弁護士セルヒオと、神秘的な女中デリシア。取り憑かれたようにオスカー・ワイルドの翻訳に没頭する判事エルネストと、謎の男トマティス……
〈出口なし〉の政治状況を背景に、〈傷〉を抱えた登場人物たちの複数の視点からひとつの事件を浮かび上がらせた初期の傑作長編。
【著者について】
フアン・ホセ・サエール(Juan José Saer)
1937年,アルゼンチンのサンタフェ州セロディーノにシリア系移民の息子として生まれる。1959年,ロサリオ大学で哲学を専攻するものの中退,以後雑誌などの仕事をこなしながら創作に従事する。1968年,「ヌーヴォー・ロマン」研究の名目で奨学金を得てパリへ渡り,以後フランスに定住。創作活動の傍ら,1971年からはレンヌ大学で文学を講義した。2005年,パリに没する。
代表作に、『傷痕』(1969年),『グロサ』(1982年),『孤児』(1983年,邦訳,水声社),『好機』(1987年),『捜索』(1994年),『雲』(1997年)といった長編小説のほか,評論集『フィクションの概念』(1997年)や,詩集『語りの技法』(1977年)などがある。
【訳者について】
大西亮(おおにしまこと)
1969年,神奈川県に生まれる。
神戸市外国語大学博士課程修了(文学博士)。現在,法政大学国際文化学部教授。専攻,ラテンアメリカ文学。主な著書に,『抵抗と亡命のスペイン語作家たち』(共著,洛北出版,2013年),主な訳書には,J・J・アルマス・マルセロ『連邦区マドリード』(2014年,水声社),リカルド・ピグリア『人工呼吸』(2015年、水声社)などがある。
【フィクションのエル・ドラード 】(既刊=★)
襲撃 レイナルド・アレナス/山辺弦訳 2200円+税(★)
気まぐれニンフ ギジェルモ・カブレラ・インファンテ/山辺弦訳
バロック協奏曲 アレホ・カルペンティエール/鼓直訳
時との戦い アレホ・カルペンティエール/鼓直訳
対岸 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
八面体 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳 2200円+税(★)
境界なき土地 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
ロリア侯爵夫人の失踪 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
夜のみだらな鳥 ホセ・ドノソ/鼓直訳
ガラスの国境 カルロス・フエンテス/寺尾隆吉訳 2800+税(★)
案内係 フェリスベルト・エルナンデス/浜田和範訳
場所 マリオ・レブレーロ/寺尾隆吉訳 【次回配本】
別れ フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
帝国の動向 フェルナンド・デル・パソ/寺尾隆吉訳
人工呼吸 リカルド・ピグリア/大西亮訳 2800円+税(★)
圧力とダイヤモンド ビルヒリオ・ピニェーラ/山辺弦訳
ただ影だけ セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳 2800円+税(★)
孤児 フアン・ホセ・サエール/寺尾隆吉訳 2200円+税(★)
傷痕 フアン・ホセ・サエール/大西亮訳 2800円+税(★)
マイタの物語 マリオ・バルガス・ジョサ/寺尾隆吉訳
コスタグアナ秘史 フアン・ガブリエル・バスケス/久野量一訳 2800円+税(★)
証人 フアン・ビジョーロ/山辺弦訳
* タイトル、訳者は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。