3月の新刊:場所《フィクションのエル・ドラード》
2017年 3月 21日 コメントは受け付けていません。
場所
《フィクションのエル・ドラード》
マリオ・レブレーロ(著)
寺尾隆吉(訳)
判型:四六判上製
頁数:192頁
定価:2200円+税
ISBN:978-4-89176-963-5 C0397
装幀:宗利淳一
4月5日頃発売!
ユーモアとファンタジー、窒息寸前のカフカ的雰囲気、フロイトとリチャード・レスターの痕跡、絶頂期のチャンドラー的香り、ガルデルとタンゴの哀愁、不眠症の不安、そしてオネッティの落ち着きを注ぎ込んだ作品だ。(フリオ・リャマサーレス)
目が覚めると、そこは見知らぬ場所だった……
見ず知らずの部屋で目覚めた男は、そこから脱出しようと試みるも、ドアの先にはまた見知らぬ部屋があるばかり。食事もあり、ベットもあり、ときに言葉の通じない人間とも出逢う迷宮のような《場所》を彷徨するうちに、男は悪夢のような数々の場面に立ち会ってゆく……
「集合的無意識」に触発された夢幻的な世界を描き、カルト的な人気を誇るウルグアイの異才レブレーロの代表作。
【著者/訳者について】
マリオ・レブレーロ(Mario Levrero)
1940年、ウルグアイのモンテビデオに生まれる。本名は、ホルヘ・マリオ・バルロッタ・レブレーロ。60年代後半からマイナーな文芸雑誌を中心に執筆活動を開始。後に「意図せぬ三部作」と呼ばれる中編三作『都市』(1970)、『パリ』(1980)、『場所』(1982)で注目される。69年にアルゼンチンのロサリオ、七二年にフランスのボルドーに数カ月滞在したほか、85年から88年までブエノスアイレスを拠点に、創作のほか、写真、雑誌編集、シナリオの執筆、クロスワードパズルの制作など、多彩な分野で異彩を放った。93年にモンテビデオに戻って以降は、小説やコラムの執筆に励むかたわら、創作教室を開いて後進の指導にあたった。『ガルデルの魂』(1996)、『空っぽの文章』(1996)といった長編のほか、『火の車』(2003)などの短編集を残している。2004年、モンテビデオで没する。遺作となった『輝かしい小説』は、2005年に死後出版され、スペイン語圏で高く評価された。
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寺尾隆吉 (てらおりゅうきち)
1971年、愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『魔術的リアリズム──二〇世紀のラテンアメリカ小説』(水声社、2012年)、『ラテンアメリカ文学入門――ボルヘス、ガルシア・マルケスから新世代の旗手まで』(中公新書、2016年)。主な訳書には、カルロス・フエンテス『ガラスの国境』(水声社、2015年)、アレホ・カルペンティエール『方法異説』(水声社、2016年)などがある。
【フィクションのエル・ドラード 】(既刊=★)
襲撃 レイナルド・アレナス/山辺弦訳 2200円+税(★)
気まぐれニンフ ギジェルモ・カブレラ・インファンテ/山辺弦訳
バロック協奏曲 アレホ・カルペンティエール/鼓直訳【次回配本】
時との戦い アレホ・カルペンティエール/鼓直訳
対岸 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
八面体 フリオ・コルタサル/寺尾隆吉訳 2200円+税(★)
境界なき土地 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
ロリア侯爵夫人の失踪 ホセ・ドノソ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
夜のみだらな鳥 ホセ・ドノソ/鼓直訳
ガラスの国境 カルロス・フエンテス/寺尾隆吉訳 2800+税(★)
案内係 フェリスベルト・エルナンデス/浜田和範訳
場所 マリオ・レブレーロ/寺尾隆吉訳 2200円+税(★)
別れ フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳 2000円+税(★)
帝国の動向 フェルナンド・デル・パソ/寺尾隆吉訳
人工呼吸 リカルド・ピグリア/大西亮訳 2800円+税(★)
圧力とダイヤモンド ビルヒリオ・ピニェーラ/山辺弦訳
ただ影だけ セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳 2800円+税(★)
孤児 フアン・ホセ・サエール/寺尾隆吉訳 2200円+税(★)
傷痕 フアン・ホセ・サエール/大西亮訳 2800円+税(★)
マイタの物語 マリオ・バルガス・ジョサ/寺尾隆吉訳
コスタグアナ秘史 フアン・ガブリエル・バスケス/久野量一訳 2800円+税(★)
証人 フアン・ビジョーロ/山辺弦訳
* タイトル、訳者は予告なく変更になる場合があります。ご了承下さい。