3月の新刊:ルネ・マグリット――国家を背負わされた画家

2017年 3月 16日 コメントは受け付けていません。

マグリット書影ルネ・マグリット
国家を背負わされた画家
利根川由奈(著)

判型:A5判上製
頁数:288頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0238-8 C0071
装幀:宗利淳一
3月27日頃発売!

シュルレアリスムからベルギー美術へ
シュルレアリスムを代表する画家は,現代美術や広告へ影響を与えながらも,詩と思考を絵画に求めて孤高に描きつづけた,のだろうか? ベルギー王立航空会社の広告,王立施設の壁画,王立美術館の待遇,教育省主催の企画展……文化政策によって「ベルギー美術史」へと巻き込まれた,もう一人のマグリット!

目次
はじめに
第Ⅰ部 マグリット作品に表されているもの・表されていないもの
――マグリット作品の造形的特徴
第1章 マグリット作品の持つイメージの力――「マグリットらしい」《赤いモデル》
第2章 思考のイメージ化――「マグリットらしくない」陽光に満ちたシュルレアリスム
第3章 マグリットの装飾芸術と広告
第4章 マグリット作品の地理的・時代的普遍性
第Ⅱ部 ベルギー美術史とマグリット――展覧会におけるマグリットの文脈
第1章 ベルギー美術の伝統を担うマグリット――「ベルギー美術の幻想性――ボスからマグリットまで」展
第2章 マグリット解釈の現在性――ヤン・フートのマグリット解釈
第3章 アメリカ美術の前衛性を備えるマグリット――「ベルギーの美術:一九二〇‐一九六〇」展
第Ⅲ部 対外文化政策とマグリット――マグリットの公共事業作品の役割
第1章 パレ・デ・コングレの壁画《神秘のバリケード》
第2章 王立サベナ・ベルギー航空の広告《空の鳥》
おわりに
註/参考文献/図版一覧/人名索引/あとがき

著者について
利根川由奈(とねがわゆうな)
1985年,横浜市に生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(人間・環境学)。専攻,美術史,文化政策史。現在,早稲田大学非常勤講師。主な著書には,『魅惑のベルギー美術』(共著,神戸新聞総合出版センター,2013年)がある。

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