4月の新刊 : 武田五一的な装飾の極意

2017年 5月 8日 コメントは受け付けていません。

武田五一
武田五一的な装飾の極意
茶室からアール・ヌーヴォーをめぐる建築意匠
谷藤史彦(著)

判型:A5判上製
頁数:200頁+別丁カラー8頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0219-7 C0070
装幀:齋藤久美子
4月25日発売!


近代日本を牽引した装飾家・建築家
山口県庁、京都大学、同志社女子大学などの公共施設をはじめ、明治村に移築された芝川又右衛門邸など数多の作品を残し、明治末期の欧州留学後アール・ヌーヴォー、ウィーン分離派などの新しいデザインを日本に紹介した〈関西近代建築の父〉の軌跡をたどる。


目次
はじめに

第一章 武田五一的な装飾のスケッチ
ヨーロッパ留学中の装飾研究/パターン・デザイン(テキスタイル・壁紙・タイル)/グラフィック、タイポグラフィ/建築ディテール・立体物デザイン/建築スケッチ

第二章 装飾とアール・ヌーヴォー
ヨーロッパ留学の謎/京都赴任の真相/ロンドンへの航路/ロンドンにて/ウォルター・クレインの『ザ・ベース・オブ・デザイン』/チャールズ・レニー・マッキントッシュの装飾/アール・ヌーヴォーの装飾/イタリアの古典/ウィーン・セセッションの装飾

第三章 茶室とプロポーション論
卒業論文「茶室建築」/その後の茶室研究/プロポーション論/日本勧業銀行本店/幕末・明治という時代/建築家への道/東京帝国大学造家学科/武田五一とその家族

第四章 図案とフランク・ロイド・ライト
京都高等工芸学校と浅井忠/図案学のはじまり/京都の工芸と図案/福島行信邸、京都府記念図書館とウィーン・セセッション /芝川又右衛門邸/朝日新聞大阪本社/フランク・ロイド・ライトとの最初の出会い/ライトとの再会/帝国ホテルの設計をめぐって/ライトからの贈り物

第五章 意匠とスパニッシュ様式
京都帝国大学建築学科と意匠設計/構造と意匠/研究体制の強化/東方文化学院京都研究所とスパニッシュ様式/福山市公会堂とスパニッシュ様式/帝国議会議事堂/再び議事堂建設へ

おわりに

年譜
図版・出典一覧

あとがき

著者について
谷藤史彦(たにふじふみひこ)
1955年、岩手県に生まれる。早稲田大学第二文学部卒業。京都大学大学院にて博士(人間・環境学)を取得。現在、ふくやま美術館特任研究員。おもな展覧会企画に、「アフロ ブッリ フォンタナ」、「フランク・ロイド・ライトと武田五一」、「マッキアイオーリ」、「キネティック・アート」、「ピカソ展 誰でもわかる天才の名画」などがある。おもな著書に、『ルチオ・フォンタナとイタリア20世紀美術』(中央公論美術出版、2016年)、『祭りばやしのなかで――評伝髙橋秀』(水声社、2015年)、共著に『高松次郎を読む』(水声社、2014年)、『関西現代版画史』(美学出版、2007年)、『20世紀の美術と思想』(美術出版社、2002年)などがある。

水声社の本
祭りばやしのなかで――評伝髙橋秀 谷藤史彦 3800円
高松次郎を読む 真武真喜子・神山亮子ほか編 4000円
無十 斎藤義重 4500円
(価格税別)

Comments are closed.