6月の新刊:フロベール コンテンポラリーなまなざし

2017年 5月 25日 コメントは受け付けていません。

フロベール書影
フロベール コンテンポラリーなまなざし

ジャンヌ・ベム(著)
柏木加代子(訳)

判型:四六判上製
頁数:240頁+別丁4頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0260-9 C0098
装幀:湊茉莉+バティスト・フランソワ
6月8日頃発売!

現代アートの先駆者、フロベール
近代小説を革新して芸術の域にまで高めた巨匠フロベール。
作家は、現代のコラージュ/パフォーマンス/インスタレーションに繋がる「ビジュアルな瞬間」としてのエクリチュールを読者に体験させようとする思考実験を行っていた!
フロベール研究の第一人者の綿密な草稿研究に裏打ちされた分析と、大胆にして新鮮なアプローチによって小説における視覚性を浮き彫りにする。

目次
小説家にしてビジュアル・アーティスト、フロベール
フロベールのアトリエ
言葉という肉体
小説とビジュアリティ
芸術的実践――コピーすること
フロベールと手への偏執

『ブヴァールとペキュシェ』を読み直す
フロベールと二人のコピスト
作り物としての小説
書物=オブジェ
パフォーマーとしてのブヴァールとペキュシェ

墓場でのパフォーマンス

『ボヴァリー夫人』を読み直す
農事共進会1――スクリーン上のアニメーション
農事共進会2――サウンド・インスタレーション
ビジュアル・インスタレーションの相互作用

エピローグ――すばらしい雲の一群

訳注
参考文献

訳者あとがき

著者について
ジャンヌ・ベム(Jeanne Bem)
1942年、プラハに生まれる。ソルボンヌ大学卒業後、パリ第Ⅳ大学にて博士号を取得。オルレアン大学、ミュルーズ大学などの教授を歴任後、ラ・サール大学教授となり、2007年に退官。専攻、フランス近代文学(フロベール)。主な著書に、Désir et savoir dans l’Œuvre de Flaubert : étude de La Tentation de saint Antoine(La Baconnière, 1979)、主な編著に、Madame Bovary dans Flaubert, Œuvres complètes, tome III(Gallimard, Bibliothèque de la Pléiade, 2013)などがある。

訳者について
柏木加代子(かしわぎかよこ)
1947年、大阪府に生まれる。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。京都市立芸術大学名誉教授。主な著書に、La théâtralité dans les deux « Éducation sentimentale »(France Tosho, 1985)、『象徴主義の光と影』(共著、ミネルヴァ書房、1997年)、主な訳書に、フロベール『心の城』(大阪大学出版会、2015年)などがある。

Comments are closed.