6月の新刊:流感世界――パンデミックは神話か?《人類学の転回》
2017年 6月 19日 コメントは受け付けていません。
流感世界
パンデミックは神話か?
《人類学の転回》
フレデリック・ケック(著)
小林徹(訳)
判型:四六判上製
頁数:354頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0259-3 C0010
装幀:宗利淳一
発売中!
「種の壁」を容易に乗り越え蔓延するインフルエンザウイルスを、香港・中国・日本・カンボジアを股にかけて追跡し、ヒトと動物種とのあいだに広がる諸関係に新たな対角線をひく。ヒトが作り上げる〈社会〉のあり方を、〈危機〉への対応という観点から問い直す。
【目次】
序論 動物疾病の人類学
第一章 バイオセキュリティをめぐる回り道
第二章 自然に面した衛生前哨地
第三章 家禽経営
第四章 仏教的批判
第五章 動物を解放すること
第六章 生物を生産すること
第七章 ウイルスの回帰――あるパンデミックの回想録
第八章 ドライとウェット――実験室の民族誌
結論 パンデミックは神話か?
謝辞
原註
訳註
訳者あとがき――パンデミックの神話論をめぐって
【著者について】
フレデリック・ケック(Frédéric Keck)
1974年、フランスのヴィルールバンヌに生まれる。哲学史家、人類学者。現在はCNRS〔フランス国立科学研究所センター〕に所属し、パリのケ・ブランリ・ジャック・シラク美術館で研究部門を指導している。レヴィ=ストロースのプレイヤード叢書版著作集の編集に携わったほか、ベルクソンやレヴィ=ブリュールの著作の校訂を行なっている。主な著作に、Lévi-Strauss et la pensée sauvage, Paris, PUF, 2004; Claude Lévi-Strauss, une introduction, Paris, La Découverte-Pocket, 2005; Lucien Lévy-Bruhl: entre philosophie et anthropologie. Contradiction et participation, Paris, Éditions du CNRS, 2008. などがある。
【訳者について】
小林徹
1975年、東京都に生まれる。パリ第一大学パンテオン・ソルボンヌ校大学院哲学研究科博士課程修了。博士(哲学)。現在、慶應義塾大学非常勤講師など。専攻は、フランス現代哲学。著書に、『経験と出来事――メルロ=ポンティとドゥルーズにおける身体の哲学』(水声社、2014)、訳書に、アルフォンソ・リンギス『変形する身体』(水声社、2015)がある。
【関連書】
部分的つながり/マリリン・ストラザーン/大杉高司・浜田明範・田口陽子・丹羽充・里見龍樹訳/3000円+税
インディオの気まぐれな魂/エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ/近藤宏・里見龍樹訳/2500円+税
変形する身体/アルフォンソ・リンギス/小林徹訳/2800+税
ヴァルター・ベンヤミンの墓標/マイケル・タウシグ/金子遊・井上里・水野友美子訳/3800円+税
多としての身体――医療実践における存在論/アネマリー・モル/浜田明範・田口陽子訳/3500円+税
作家、学者、哲学者は世界を旅する/ミシェル・セール/清水高志訳/2500円+税
フレイマー・フレイムド/トリン・T・ミンハ/小林富久子・矢口裕子・村尾静二訳/4000円+税
国家に抗する社会/ピエール・クラストル/渡辺公三訳/3500円+税